春に湿気によって体が重くなる症状のことを、 広東語では「春困」と言うそうです。香港は湿気が強いので春に身体がだるく、胃腸の症状も出やすいそうです。韓国語にも春の倦怠感を表現する「춘곤증 (チュンゴン :春困)」という表現があります。
香港の人口は734万人、広東語を話す人口は世界で8,000万人〜1億人だそうです。香港人が大量に移住したカナダのバンクーバーや東南アジアの華僑たちにも広東語を使う人は多いです。
広州には華僑の最高学府といわれる曁南大学中医学院があります。国医太師の鄧鉄涛先生がおり、学術レベルは大変高いです。
香港は春は湿気が強く、寒くなったり暖かくなったりします。立春のあとは体内の湿気が多いと春困になります。
中医学の観点から、春困の人は体が重く、浮腫み、いつも眠く疲労倦怠で胸が詰まり、お腹が張って便が緩くなるなどの症状があります。
面白いのは香港の広東語圏の中医学にある「熱底」と「寒底」の体質によって症状が違うことです。寒底は手足が冷え、寒さを畏れ、骨が痛みます。熱底は熱がりで汗が多く、イライラして口が乾き、食べる量が多いです。香港の熱底と寒底の理論はいつ頃できたのか興味があります。
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