高麗手指鍼:耳鳴

 

 

 

 

「手指鍼(すじちむ)特別講義3:耳鳴が続くとき」
[수지침 특강3] 귀울림이 계속될 때

 

韓国語で「귀(クイ)」は「耳」です。耳鳴の配穴です。

M3、M4は足少陽胆経に相当する高麗手指鍼の胆気脈に属し、M3は天衝に相当します。M4は完骨に相当します。E8は高麗手指鍼の胃気脈に属します。E8は足陽明胃経の人迎に相当します。ユニークな配穴だと思います。

 

韓国の「舎岩鍼(サアムチム)」 の 古典『舎岩道人鍼灸要訣』では、以下の配穴を使っていました。

2. 耳鳴
【療法】商陽‧通谷 補, 太白‧太谿 瀉.
http://www.acuexpo.com/library/zhenjiu/saam.htm

 

商陽は五行の金経の金穴であり、補法することで金を強くします。足通谷は五行の水経の水穴であり、補法することで水を強くします。これは「虚すればその母を補う」原則であり、五行の水の虚、腎虚または膀胱虚のようです。太白は五行の土経の土穴であり、瀉法することで水を相克する土を弱めます。太溪は五行の水経の土穴であり、瀉法することで自経の水を相克する土の要素を弱めるという意味だと推察します。

 

この 古典の『舎岩道人鍼灸要訣』 の耳鳴の配穴は、現代舎岩鍼法の腎と膀胱の「正格」「勝格」「熱格」「寒格」のいずれにも当てはまりません。

 

腎虚(腎の正格):経渠・復溜の補法、太白・太溪の瀉法。
腎実(腎の勝格):太白・太溪の補法、湧泉・太敦の瀉法。
腎寒(腎の熱格):少府・然谷の補法、陰谷・少海の瀉法。
腎熱(腎の寒格):陰谷・少海の補法、太白・太溪の瀉法。

 

膀胱虚(膀胱の正格):商陽・至陰の補法、足三里・委中の瀉法。
膀胱実(膀胱の勝格):足三里・委中の補法、足臨泣(木の木)・束骨(水の木)の瀉法。
膀胱寒(膀胱の熱格):陰谷・崑崙の補法、足通谷(水の水)・前谷(火の水)の瀉法。
膀胱実(膀胱の寒格):前谷・足通谷の補法、足三里(土の土)・委中(水の土)の瀉法。
http://www.tjzhongyiyao.com/tjzyy/ch/reader/create_pdf.aspx…

 

舎岩鍼(サアムチム) の謎は深まるばかりです。

中医学で耳鳴は実証と虚証に分類されます。私は熱敏灸を愛用しています。

2011年「熱敏灸と針刺の組み合わせによる耳鳴治療のケアの観察」
热敏灸结合针刺治疗耳鸣的护理观察
颜娟芬 董玲 范新华
《浙江实用医学》 2011年06期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-ZJSA201106028.htm
穴取听宫、听会、耳门,同时配合艾条热敏化悬灸涌泉穴,

手太陽小腸経の聴宮、足少陽胆経の聴会、手少陽三焦経の耳門、足少陰腎経の湧泉という配穴は私も使って著効したことがあります。

 

2012年「針刺と熱敏灸の組み合わせによる耳鳴の治療の臨床研究」
针刺结合热敏灸治疗耳鸣的临床研究
黄飞燕 《广州中医药大学》 2012年
http://cdmd.cnki.com.cn/Article/CDMD-10572-1012395922.htm
针刺加热敏灸对脾胃虚弱及肝肾亏虚型耳鸣患者疗效更佳

熱敏灸は、特に脾胃虚弱や肝腎両虚の虚証の耳鳴が得意というのは納得できます。

 

以下の63例の耳鳴患者の圧痛を調べた研究が面白かったです。

2016年「耳鳴患者の圧痛敏感穴の分布のルールと圧痛エリアの研究」
耳鸣患者压敏穴分布规律及压痛阈研究
冀美琦 《北京中医药大学》 2016年收藏
http://cdmd.cnki.com.cn/Article/CDMD-10026-1016071211.htm
中医证型:共分为十种证型,
其中脾胃虚弱型耳鸣患者最多,共19例,占30.16%,
其次是气滞血瘀15例(23.81%)、
痰湿内阻10例(15.87)、
肝气郁结7例(11.11%)、
痰火壅结3例(4.76%)、
肝火上扰3例(4.76%)、
心血不足2例(3.17%)、
心神不宁2例(3.17%)、
外邪侵袭1例(1.59%)、
肾精亏虚1例(1.59%)。

なんと、腎虚が1例で1.59パーセントです。

3.2耳鸣患者压敏穴数情况:,其余13经均有压敏反应,
出现穴数最多的经脉是足太阳膀胱经,
其次是足少阳胆经、
督脉、
手少阳三焦经。

これは納得の結果です。

 

 

(2)压敏穴分布的区域及聚类分析:聚为三类,
第一类:膝关节以下;
第二类:侧头及耳周部;
第三类:肘关节以下和背腰部。

(3)压敏穴出现穴数及聚类分析:聚为七类,前三类依次为:
第一类:完骨、翳风;
第二类:外关、曲池;
第三类:三阴交、阳陵泉、风池、太冲、手三里、足临泣、丘墟。

(4)非经穴压敏反应点分布情况:耳鸣时除在经穴范围内存在压敏反应,在经穴上下附近同样存在压敏反应,其中在手太阴肺经循行线上压敏反应点数最多,为9个;在孔最穴区上下出现穴数最多,为5个;

手太陰肺経の孔最の近所に非経穴反応が出ていたというのも興味深いです。

 

非经穴压敏反应点在阳陵泉下3寸出现频次最高,为19次,其次为阳陵泉下2寸,为17次。

陽陵泉の下3寸や下2寸に反応というのも興味深いです。使えそうです。

 

(5)不同侧别耳鸣经络压敏穴数比较:左侧耳鸣时双侧经络压敏穴数多于右侧(P0.01),右侧耳鸣时双侧经络压敏穴数多于左侧(P0.05);左侧或右侧耳鸣时,有同侧经络压敏穴较多趋势,但无统计学意义(P0.05)。

これも巨刺の観点から興味深いです。

 

 

耳鍼療法です。耳鳴の主穴は神門、交感、皮質下、内耳、外耳でした。

2016年 耳穴压丸配合认知行为疗法对耳鸣的临床疗效观察及相关证型分析
纪宇慧
《成都中医药大学》 2016年
http://cdmd.cnki.com.cn/Article/CDMD-10633-1017038431.htm
※辨证取穴:
风邪外侵加肺、大肠;
肝郁气滞,肝火上扰者加肝、心;
脾虚下陷,肾精不足者加脾、内分泌、肾;
痰火郁结加三焦、大肠、脾。
随症取穴:耳鸣忽轻忽重加耳背肾;因睡眠不佳而加重加耳背心

上記は、中国式耳穴の弁証論治による耳穴療法の考え方を知ることができて良かったです。

 

 

 

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次