不安症・恐怖症・パニック障害の弁証論治

パニック障害の弁証論治です。

西洋医学では2007年に不安障害の鍼のシステマティックレビューがありましたが、証拠が不足していかなる結論も導くことが出来ませんでした。

そこで中医学の弁証論治を調べました。

中国で、1980年以降の新しい病気である「パニック障害」は焦虑症、惊恐症、惊恐性障碍、惊恐障碍などの病名で呼ばれています。

以下は弁証論治になります。
心胆気虚など、臓腑弁証で分類しています。

(一)辨证论治
1.心胆气虚
治法 益气养心, 镇惊安神。
方药 安神定志丸

2.心脾两虚
治法 益气养血,健脾宁心。
方药 归脾汤

3.阴虚内热
治法 滋阴凉血,清热安神。

4.痰热扰心
治法 清热涤痰,宁心安神
方药 黄连温胆汤

5.瘀血内阻
治法 活血化瘀,通络安神。
方药 血府逐瘀汤

(二)针灸治疗
1.体针:
主穴:风府、百会、通里、神门、内关等。
痰郁配肺俞、合谷、列缺、天突、丰隆;
心血虚配心俞、脾俞;
瘀血内阻配血海、膈俞。除心血虚者外,均用泻法。
烦躁不安配印堂、太阳、水沟;
焦虑配三阴交、太冲;
失眠配神庭、四神聪、印堂、三阴交等。

鍼灸は、ほとんどの論文が四神聡、百会、神門、内関、三陰交を、配穴していました。

個人的に調べた限りでは、中国では以下の論文が1番良かったです。

2009年
「パニック障害の鍼灸治療の研究概況」
针灸治疗焦虑在的临床研究概况.
姚志芳
中医药通报2009年6月第8卷

何が良いかというと、督脈や陰維脈など奇経からの分析と配穴の要素が少しでもあり、「通調任脈督脈」という治則が少しでもあったからです。

パニック障害は衝脈の奔豚気など奇経からの分析が絶対に必要だと思いますが、他の現代中医学の論文は臓腑弁証ばかりで臨床的ではない印象があります。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする