韓国「舎岩鍼法」と赫曦の五兪穴

動画は舎岩鍼法の名人、金廣浩先生です。

韓国の舎岩鍼法(しゃがんしんぽう)は韓国鍼灸で最も有名な流派で、肘から先、膝から下の五兪穴だけを用いて五行の相生関係と相克関係を利用して治療します。
17世紀に禅僧、舎岩道人が原理を発見したと言われています。

例えば肝虚証の場合、「虚すれば其の母を補う」で「曲泉と陰谷に補法」し、相克関係にある「経渠・中封の瀉法」を行います。日本の経絡治療にとても似ています。

2015年10月「韓国伝統・舎岩鍼法の現代臨床アプローチ」
A Modern Clinical Approach of the Traditional Korean Saam Acupuncture
Manyong Park and Sungchul Kim
Evid Based Complement Alternat Med. 2015; 2015: 703439.
Published online 2015 Oct 11. doi: 10.1155/2015/703439

舎岩鍼法 の古典になります。

『舎岩道人鍼灸要訣』

これは漢字中心で全文が読めます。何年も『舎岩道人鍼灸要訣』を読みたかったのですが、少しでもハングルを勉強して良かったです。

今年、2018年戊戌(つちのえ・いぬ)年は火運太過の「赫曦(かくぎ)」の年ですが、第3章に今年向けの五行の配穴も書かれています。

『舎岩道人鍼灸要訣』

5. 六戊之年(赫曦)
【見證】歲火가 太過하여 火邪가 流行하므로 肺金이 邪를 받게 되어 瘧질이 유행되며, 少氣, 咳喘, 血泄, 身熱, 骨痛 等證을 訴한다. (脈문동湯證)
【療法】少海‧尺澤 補, 少府‧魚際 瀉. (克官補母의 義다.)

少海(火の水)補
尺澤(金の水)補
少府(火の火)瀉
魚際(金の火)瀉

という配穴を分析すると、火運太過で火が旺盛になるので水を増やして火を瀉し、火克金の相克関係にある金の火を瀉すという方法論です。
日本の難経六十九難の経絡治療の思想とかなり違います。

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