シンガポール医学雑誌に掲載された野口英世

2014年10月にハワイ大学の研究者が『シンガポール医学雑誌(シンガポール・メディカル・ジャーナル)』に発表した「野口英世(1876-1928):卓越した細菌学者」
Hideyo Noguchi (1876-1928): Distinguished bacteriologist
Siang Yong Tan, et al.
Singapore Med J. 2014 Oct; 55(10): 550–551.

以下、引用。

【ダークサイド】
野口英世の仕事は常軌を逸して不正確さが増してくる。

野口英世の発見の多くは梅毒スピロヘータを含めて再現ができなかった。

彼はまた、ルテインの注射と称して梅毒を健康な子どもの肌に接種するなどの非倫理的な人体実験で非難された。

野口英世の梅毒人体実験は英語のウィキペディア「野口英世(Hideyo Noguchi)」には「人体実験スキャンダル」として明記されていますが、日本語ウィキペディアには書かれていません。

以下、英語のウィキペディアHideyo Noguchi から引用。

【人体実験スキャンダル】
1911年と1912年にニューヨークのロックフェラー研究所で野口英世はツベルクリン反応と同じように梅毒の皮膚テストができないかと働いていた。

被験者はニューヨークの病院やクリニックで募集された。

実験で、野口英世はルテインだと称して梅毒のエキスを被験者の上腕に注射した。

肌の反応が研究され、健康被験者と梅毒患者が各ステージによって分けられた。被験者の571人のうち315人が梅毒の保菌者で残りはコントロールであり、コントロールは梅毒をもっていない孤児や病院の患者であった。

孤児を被験者に使ったのは、1946年のグアテマラ梅毒・人体実験と全く同じです。この実験はアメリカ政府・アメリカ国立衛生研究所NIHが行ったことをオバマ大統領が謝罪し、ロックフェラー研究所とジョン・ホプキンス大学医学部が訴訟されています。

2015年4月3日イギリスの新聞『ガーディアン』
「意図的に性感染症(STD)に感染させられたグアテマラ人が、ジョンホプキンス大学を1000億円の賠償を求めて訴訟した」
Guatemalans deliberately infected with STDs sue Johns Hopkins University for $1bn

以下、引用。

訴訟で(ジョンホプキンス大学のほかに)名前を挙げられているのは慈善団体のロックフェラー財団である。

ジョンホプキンス大学とロックフェラー財団は強い調子で実験への関与を否定した。

1946年から1948年にかけて、アメリカ国立衛生研究所NIHがグアテマラで売春婦・精神科病院の患者・孤児・刑務所の受刑者に梅毒を感染させる人体実験を行いました。1,300人が感染させられ、83人が死亡しました。目的はペニシリンの効果を調べる事です。オバマ大統領は2010年10月にグアテマラ政府にこの事件を謝罪しています。

2011年08月30日フランス国営AFP通信
『40年代、グアテマラでの米国の性病実験で83人が死亡 米調査委』

1932年から1972年までアラバマ州タスキギーでタスキギー梅毒・人体実験をアメリカ政府・アメリカ国立衛生研究所NIHが行っていました。

文盲の貧しい黒人男性399人に梅毒を接種し、28人が直接梅毒によって亡くなり、100人が梅毒に関連する合併症で亡くなりました。40人の患者の妻は夫から感染し、19人の子供が先天性梅毒になって生まれました。

実験開始15年後の1947年にはペニシリンの大量生産によりこれらの梅毒になった黒人男性を治療するのは可能でしたが放置し続け、亡くなった黒人男性を解剖しました。内部告発によって1972年に急遽人体実験は中止となり、1997年にクリントン大統領が遺族に謝罪しました。

この舞台となったアラバマ州のタスキギー大学を1881年から1900年の間、財政的に支えたのは、慈善事業家のジョン・ロックフェラーとアンドリュー・カーネギーであるとする公式記録が残っていました。

タスキギー人体実験を担当したのはアメリカ国立衛生研究所NIHの医官ジョン・カトラーで、グアテマラ梅毒・人体実験の担当者と同一人物でした。カトラーは梅毒に苦しむ黒人男性たちを放置し、1967年にはピッツバーク大学医学部の公衆衛生学大学院の教授となります。

日本のこども達は梅毒を埋め込む人体実験をした人物とは知らず、野口英世の伝記を読んでいるのです。

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