教育の多様化

2019年1月11日『南方網』
「中医学は帆をあげて出航する:マレーシアのチャイナタウンでは何が起こっているのか?」
中医药扬帆出海:在马来西亚靠什么走出唐人街?

以下、引用。

これらの高等学校のうち、「スープを最初に飲む」のは英迪国际大学(INTI International University)だった。2009年にマレーシア高等教育部の承認によって、マレーシアで最初の中医学本科教育を行う機関となって、最初は4人の学生からスタートした。

中国医学を学べる大学として、他にはマレーシアのトゥンク・アブドゥル・ラーマン大学があります。医学部の中に中国医学科があり、漢方・鍼灸・推拿が学べます。

マレーシアは2016年5月に伝統補完医学法2016が通り、マレーシア保健省伝統補完医学(中医学)部門ができています。 中国伝統医学だけではなく、トゥンク・アブドゥル・ラーマン大学にはインド医学のアーユルヴェーダ学部もあります。

マレーシアはインドと伝統医学の二国間協定を結ぶ予定です。

2018年1月10日『ユナイテッド・ニュース・オブ・インディア』
「第5回インド=マレーシアの伝統医学協力における二国間ミーティング」
5th India-Malaysia bilateral meeting on cooperation in Traditional Medicine

以下、引用。

水曜日の第5回のインド伝統医学省(AYUSH)国家薬草協議会とマレーシアの薬草部門の二国間覚書の協議が行われた。

マレーシアの公用語はマレー語、英語、中国語、タミル語で、マレー人、中国系マレーシア人、インド系マレーシア人が混在する国です。マレーシアはイギリス連邦であり、学校で英語を教えるので英語世界につながっています。さらに、イスラム教徒が多いので、イスラム世界にもつながっています。タミル人を通じてインド世界ともつながり、華僑を通じて中国世界ともつながっています。マレーシアの中国語において、中国系マレーシア人は両親の言語である広東語、福建語、潮州語、客家語などの方言をプライベートでは話し、学校では北京語を学ぶそうです。漢字は学校では簡体字を学びますが、街で売っている商品の名前などは繁体字だそうです。

インド系のタミル語はシンガポールの公用語にもなっています。そして、シンガポールの教育でもユニークな中医学教育があります。

シンガポール南洋理工大学の生物科学校は、イースト・ミーツ・ウエスト学位プログラムがあり、生物医科学と中国伝統医学の2つの学位が同時に取得できます。最初の3年間はシンガポールで生物科学を学び、残りの2年間は北京中医薬大学と提携しており、中医師の資格もとれます。

シンガポール南洋理工大学は2017年世界大学ランキング11位であり、シンガポール国立大学を抜いて2017年アジア1位の大学として有名です。プリンストン大学やイエール大学よりも上位、東京大学(28位)より、ぶっちぎりの上位です。ただし、最初のシンガポールの3年間の生物医科学の授業はすべて英語で、残りの2年間の北京中医薬大学の病院実習は中国語です。

中国伝統医学の世界を旅することでわかってきたのは、世界の教育制度が激変しているということです。多言語、多文化を許容する世界を、一元的な価値観で乗り切るのは難しいです。そこにこそ、現代日本の教育の困難があると思います。

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