神龍の灸

三伏灸(さんぷくきゅう)とは、夏至以降の庚(かのえ)の日を初伏・中伏・末伏といい、3つ合わせて「三伏」といいます。冬の喘息や気管支炎、アレルギー性鼻炎などの病気は、夏にお灸をして予防するという考え方の三伏天灸です。三伏天灸は「冬の病は夏に治す(冬病夏治)」という思想です。


「廣西力推壯族傳統醫學 神龍灸背上烤超驚人」(中央通信社)より引用

中国・広西省チワン族(壮族)の壮医の神龍灸です。この督脈の通陽のお灸のあとに臍環穴に鍼をするというのがチワン)の鍼灸というのを聞いたら、督脈通陽灸をしたあとに臍灸をしている先生方は興味をもたれるかも知れません。

壮医鍼灸の特徴は以下になります。

(1)得気をもとめず治療効果を求める響かさない鍼灸。
(2)経絡を治療に用いない。臍のマイクロシステムに鍼をする。
(3)壮医独特の薬点線灸という捻った細い灸を点灸する。

「チワン医学におけるヘソ環鍼穴と臨床応用」
Umbilical Ring acupoints and its clinical application in Zhuang medicine
HUANG Jin-ming et al.
《Chinese Acupuncture & Moxibustion》 2013-06

「壮医脐环穴及其临床应用」
『中国針灸』2013, 33(6):R224.2

広西省のチワン族は中国の生薬の3割を生産しています。チワン族伝統医学は、明代の『本草綱目』の時代から中国伝統医学の古典に掲載されてきます。チワン族伝統医学で有名なのは日本のノド飴にも入っている羅漢果と香港名物、カメゼリー(亀苓膏:きれいこう)です。

また、中医針灸では承淡安先生の弟子で、1934年に『針灸実用指要』で穴性を提唱した羅兆琚先生や、1936 年に『鍼灸精粹』で穴性を明記した李文憲先生は広西省チワン族自治区出身です。

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