安徽省の熱敏灸論文と頚椎症

江西省の北に安徽省があります。安徽省では灸の響きを重視する『灸縄』を書かれた灸専門の老中医、周楣声先生が活躍されました。

安徽省は省都の合肥市に安徽中医薬大学があり、『安徽中医薬大学学報』があります。安徽省と江西省はお隣りなので熱敏灸の論文は多いのかと思ったら、陳日新先生が論文を一つ発表されているだけでした・・・。私も熱敏灸派というよりは『灸縄』派なので、安徽省の中医師たちの気持ちがわかります。

2017年「神経根性頚椎症患者の熱敏灸の形状・腧穴温度覚特性の研究」
神经根型颈椎病患者热敏态腧穴温度觉特征研究
谢丁一 谢秀俊 陈日新 迟振海
《安徽中医药大学学报》 2017年01期

『熱敏灸の棒灸療法(腧穴热敏化:艾灸新疗法2006)』では頚椎症に対して、

(1)頸部夾脊穴の圧痛点:灸感を響かせる。
(2)百会・大椎から督脈に響かせる。
(3)至陽(GV9)から胸腔に響かせる。
(4)手三里・陽陵泉から頸部に響かせる。

という治療法です。

『実践・熱敏灸(热敏灸实用读本2009)』では神経根型で

(1)頸部夾脊穴の圧痛点:灸感を響かせる。
(2)肩井の圧痛点
(3)大椎・肺兪から上肢に響かせる。

と発展しました。動脈型には神庭(GV24)も使います。

江西省の北にある安徽省は元祖・陳日新先生の論文が1本掲載されているだけで、熱敏灸の論文は実質ゼロでした。中国の北や西などの辺境からも同時に調べているのですが、黒竜江省の『黒竜江中医薬』も熱敏灸の論文数はゼロでした。

吉林省の『吉林中医薬』は4本、『長春中医薬大学学報』は7本で合計11本、内蒙古自治区の『内蒙古中医薬』の熱敏灸論文は8本、新疆ウイグル自治区の『新疆中医薬』の熱敏灸論文は4本なので再調査します。

江西省から遠く離れた新疆ウイグル自治区や内蒙古自治区でも熱敏灸は行われているようなので、安徽省の1本と黒竜江省のゼロというのは現状では目立ちます。

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