うつ病のマルチモーダル治療における鍼は投薬量を減少させる

2019年3月8日
「うつ病:鍼はマルチモーダル治療の中で証明された」
Depressionen: Akupunktur überzeugt in Multimodalen Therapien

ドイツ鍼医師会(DÄGfA) 会長のドミニク・アーニック先生は、ドイツのナンバーワン大学であるルートヴィヒ=マクシミリアン大学ミュンヘン病院の上級麻酔科医であり、慢性疼痛を専門的に研究されています。『トリガーポイント入門』というトリガーポイント鍼療法の文献を出版されています。

以下、引用。

単体の治療よりもマルチモーダル治療は長期的効果を有しており、専門的なニードリング鍼は全体的な効果の中で証明されている。

「肯定的な長期的な効果によって、鍼は投薬量を減少するという事実から患者はもっとも利益を受ける」と1951年に設立されたドイツ鍼医師会の会長である医学博士のドミニク・アーニックは述べる。

まれではなく、抗うつ剤の使用は体重増大、性的機能不全、睡眠障害をもたらす。「これらは鍼治療によって、かなり軽減される」

2015年2月2日「鍼と抗うつ薬の組み合わせはうつ病をらくにする」
Acupuncture Antidepressant Pairing Eases Depression

以下、引用。

鍼と抗うつ薬の組み合わせはうつ病治療において安全であり効果的である。13のランダム化比較試験のメタ・アナリシス分析が『感情障害雑誌』で出版され、鍼と抗うつ薬の組み合わせ治療は抗うつ剤単独よりも効果があることを発見した。

2015年5月台湾中医大学
「うつ病に対する鍼と抗うつ薬の組み合わせの利点:システマティックレビューとメタ・アナリシス」
The benefit of combined acupuncture and antidepressant medication for depression: A systematic review and meta-analysis.
Chan YY et al.
J Affect Disord. 2015 May 1;176:106-17. Epub 2015 Jan 28.

同じような研究は、2014年に広東中医薬大学も発表しています。

2014年「鍼または電気鍼は、抗うつ剤パロキセチン(Seroxat)の効果を高める」
Acupuncture/electroacupuncture enhances anti-depressant effect of Seroxat: the Symptom Checklist-90 scores
Junqi Chen et al.
Neural Regen Res. 2014 Jan 15; 9(2): 213–222.

さらに、2016年1月には広東中医薬大学がSSRI抗うつ薬と電気鍼を初期のうつ病に組み合わせて用いたほうが単独よりも効果が高いという論文を発表しました。

Rapid Onset of the Effects of Combined Selective Serotonin Reuptake Inhibitors and Electroacupuncture on Primary Depression: A Meta-Analysis.
Zhang Y et al.
J Altern Complement Med. 2016 Jan;22(1):1-8.

SSRI抗うつ薬やSNRI抗うつ薬を飲むと、副作用としてかなりの確率で男性のEDや女性の性欲減退を起こしますが、鍼はこれらの2次的性的不能に効果が報告されています。

2013年「抗うつ剤による2次的機能的性的不能の鍼治療の効果」
Efficacy of acupuncture treatment of sexual dysfunction secondary to antidepressants.
Khamba B
J Altern Complement Med. 2013 Nov;19(11):862-9. doi: 10.1089/acm.2012.0751. Epub 2013 Jun 21

【結論】「この研究はSSRIやSNRIの副作用による性的障害の鍼の効果の利点を示している」

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