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タラス・ウシシェンコ教授と周術期鍼

 

2019年3月20日「医学校は中国自然医学と出会う」
Schulmedizin trifft chinesische Naturheilkunde

ドイツのグライフスヴァルド医科大学麻酔科における鍼の利用についての記事です。

以下、引用。

タラス・ウシシェンコ教授によれば、同様に(病院内での鍼の効果が)確認されている。

麻酔科医(ウシシェンコ教授)は鍼を手術後の悪心と嘔吐という毎日の仕事に利用している。

 

ウクライナ出身でドイツのグライフスヴァルド医科大学麻酔科の教授であるタラス・ウシシェンコ先生は、ペリオペレイティブ・アキュパンクチャー(周術期・手術前後の鍼)の専門家です。

最近、手術前に手術の不安を和らげたり、手術後に疼痛や悪心・嘔吐などの外科手術の副作用を和らげたり、膀胱や大腸の機能回復させる鍼のことを「周術期の鍼」と呼んでいますが、これはグライフスヴァルド医科大学のウシシェンコ教授が最初に言い始めたと思います。

2014年7月「周術期の鍼:なぜ、われわれを使おうとしないのか?」
Perioperative acupuncture: why are we not using it?
Usichenko TI, Streitberger K.
Acupunct Med. 2014 Jun;32(3):212-4. doi: 10.1136/acupmed-2014-010580. Epub 2014 Apr 28.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/24777617

 

2019年3月「周術期の鍼医学:鍼麻酔に代わる新しいコンセプト」
Perioperative acupuncture medicine: a novel concept instead of acupuncture anesthesia.
Yuan W1, Wang Q.
Chin Med J (Engl). 2019 Mar 20;132(6):707-715. doi: 10.1097/CM9.0000000000000123.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6416101/

以下、引用。

鍼は手術後の胃腸機能や膀胱機能の回復を改善できる。

最後に、麻酔および手術刺激は免疫機能の低下を招く可能性があり、術後患者の長期予後を長期的には改善しないかもしれない。鍼は手術後の免疫機能回復を助け、手術後のそう痒症を含む予後を改善できる。

 

 

タラス・ウシシェンコ教授は、2018年には外科手術前の不安症状への耳鍼の実験を発表しました。使用した耳穴はMA-IC1(耳の肺), MA-TF1(耳の神門), MA-SC(耳の腎), MA-AH7(耳の交感)、 MA-T(耳の副腎)です。

2018年「外来婦人科外科手術の術前の不安への耳鍼:ランダム化していない前向きコントロール試験」
Auricular acupuncture for treatment of preoperative anxiety in patients scheduled for ambulatory gynaecological surgery: a prospective controlled investigation with a non-randomised arm.
Usichenko TI et al.
Acupunct Med. 2018 Aug;36(4):222-227. doi: 10.1136/acupmed-2017-011456. Epub 2018 Jul 9.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29986900

 

 

2007年、ウシシェンコ教授は関節鏡下ひざ手術後の疼痛を耳鍼で減少させるランダム化比較試験の結果を発表しています。

2007年「関節鏡下ひざの外科手術による耳鍼の疼痛緩和:ランダム化比較試験」
Auricular acupuncture for pain relief after ambulatory knee surgery: a randomized trial.
Usichenko TI et al.
CMAJ. 2007 Jan 16;176(2):179-83.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17224599

 

 

耳鍼は外科手術後の疼痛緩和や術前の不安の緩和など西洋医学と併用しやすいので、ヨーロッパのメディカル・アキュパンクチャーでは周術期鍼としてよく使われているようです。

 

 

 

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