【新型コロナウイルス】排出経路とIgМ・IgG迅速診断キットの開発

2020年2月21日『ニュースディオ』
「研究は、複数の排出経路を示唆している」
Study suggests multiple routes of detachment

以下、引用。

感染した患者は病原体を呼吸器、糞口、体液ルートで排出すると論文著者は書いている。アメリカの感染症専門家は、疫学データからCOVID-19アウトブレイクは空気感染すると警告している。

今日まで、口腔スワブで新型コロナウイルス検査を行い、2回連続で口腔スワブの試験でウイルスが検出されないなら退院することになっていた。

(178人の患者の口腔スワブ、肛門スワブ、血液を計測していずれもウイルスが検出されたことから)この発見は患者が感染初期には口腔スワブでウイルステスト陽性となり、感染後期には肛門スワブでウイルステスト陽性となることを示唆している。

彼はこの最新研究から、特にPCR核酸検査法でウイルスが検出された場合にデータを過剰評価することを避ける必要があることを結論している。

彼は、たとえ標本がPCR核酸検査でポジティブ陽性となっても、それはウイルスのヌクレオチド核酸の存在を示してはいるがウイルスを分解する過程で生成された生成物であり、PCR核酸検査で陽性だからといって自動的にウイルス感染の存在を示して他のヒトに感染させるリスクを示しているわけではないと明確にした。

原著論文2020年2月17日
「新型コロナウイルス感染患者の分子・血清研究:複数の排出経路」
Molecular and serological investigation of 2019-nCoV infected patients: implication of multiple shedding routes
Wei Zhang,et al.
Emerging Microbes & Infections
Volume 9, 2020 – Issue 1 Pages 386-389
Published online: 17 Feb 2020
https://www.tandfonline.com/…/full/10…/22221751.2020.1729071

以下、引用。

しかしながら、新型コロナウイルスに感染している患者は早期または感染後期に腸管にウイルスをもっているのかもしれない。そして口腔スワブと肛門スワブでPCR血液検査陽性でない患者で血液中にウイルスがあった患者がいたことは注目する価値がある。これらの患者はルーティンな(口腔スワブPCR核酸)検査では陰性と診断されると考えられる。対照的に、全ての患者でウイルス抗体が血清中に発見された。感染初期には口腔スワブから感染の後期には肛門スワブでポジティブ陽性結果がシフトしている可能性がある。この発見は口腔スワブがネガティブ陰性だからといって患者を退院させることができないことを示している。結局のところ、われわれは強く血清中のIgМ抗体とIgG抗体テストによって感染を確認することを推奨する。口腔スワブからの検出は結果が信頼できないと考えられる。

血液中にウイルスがあるのに、口腔ぬぐいスワブと肛門ふき取りスワブは陰性という症例があったようです。この症例を口腔スワブのPCR核酸検査が「陰性」といって退院させても、ウイルスは血中にあり感染状態なので、再び数日後に「陽性」になる可能性があります。

そこで血液血清中の IgМ抗体・IgG抗体を診断の基準にすることを提案しています。この血清中のIgМ・IgG抗体を検出するキットはすでに中国・天津の南海大学が2月17日に開発し、2月25日に承認されました。開発に関わった鐘南山先生によると、15分間で迅速診断できるそうです。

2020年2月25日
Antibody test kits for rapid novel coronavirus detection approved in China
http://www.ecns.cn/…/2020-02-25/detail-ifztvsqr0581222.shtml

鐘南山先生は、おそらく早くからこの事実を認識されて、血液中のウイルス血症を治療するために「回復した患者の血漿の注入」を重視されているのです。

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