頚椎症と筑波式低周波鍼療法(EAT:Electric Acupuncture Therapy)

「低周波鍼通電療法の臨床的研究ー筋刺激 (筋パルス) と神経刺激 (神経パルス) の検討」
坂井 友実, 安野 富美子, 田和 宗徳, 矢野 忠
『日本温泉気候物理医学会雑誌』2004 年 67 巻 2 号 p. 87-108

筑波大学の芹沢勝助先生は1971年から鍼麻酔方式の電気鍼を使っていました。1973年からスモン病の針灸治療を厚生省特定疾患研究として行い、鍼麻酔によって症状を軽減させました(※1)。

同じ筑波大学の吉川恵士(※2)先生や西條一止(※3)先生も1971年から低周波鍼通電療法を治療に用いており、これが筑波大学式低周波鍼通電療法(EAT:Electric Acupuncture Therapy)に発展します。

海外の電気鍼も研究しましたが、皮下パルス、筋パルス、関節パルス、神経パルス、反応点パルスを使い分けているのは筑波式だけだと思います。100Hzの断続波や1Hz~2Hzの連続波を使い分けているのも特徴です。

上記の「低周波鍼通電療法の臨床的研究ー筋刺激 (筋パルス) と神経刺激 (神経パルス) の検討」という論文では筋パルスと神経パルスを比較しています。頚部神経根症(CSR)に対して頚椎の横突起に刺鍼します。これは電気鍼マニアを自称するわたしも刺鍼技術を研究しました。

以下の『疾患別治療大百科シリーズ3 頚肩腕痛』に坂井友美先生が書かれた論文にはより豊富な図と写真があり、読めばすぐに頚椎神経根症の神経パルスを再現できるレベルで書かれています。


坂井友美「低周波鍼通電療法による頚肩腕痛治療」
『疾患別治療大百科シリーズ3 頚肩腕痛』
141ページから146ページ(医道の日本社、2000/12/25)
https://ci.nii.ac.jp/ncid/BA51394789

※1:芹沢 勝助「鍼麻酔と鍼灸治療ー鍼・鍼麻酔方式の臨床応用とその限界」
『日本鍼灸治療学会誌』Vol. 25 (1976) No. 2 P 1-14,66
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1955/…/25_2_1/_pdf

※2:吉川恵士「運動器疾患の鍼治療ー局所治療の立場から」
『全日本鍼灸学会雑誌』Vol. 53 (2003) No. 1 P 8-13
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjsam1981/…/53_1_8/_pdf

※3:西條 一止「鍼灸研究30年とゆるぎ石との出会い」
『全日本鍼灸学会雑誌』Vol. 52 (2002) No. 4 P 379-403
https://www.jstage.jst.go.jp/arti…/jjsam1981/…/52_4_379/_pdf

※4:坂井 友実, 杉田 正道「運動器疾患に対する鍼治療ー特に頚椎症を中心として」
『日本温泉気候物理医学会雑誌』1993 年 57 巻 1 号 p. 41-43
https://www.jstage.jst.go.jp/…/o…/57/1/57_1_41/_pdf/-char/ja

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