腎虚腰痛

2018年「腎虚腰痛の鍼灸治療法の弁証選穴の概況」
肾虚腰痛针灸疗法的辨证选穴概况
刘云平 尹文仲
《世界最新医学信息文摘》 2018年72期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-WMIA201872112.htm
http://www.scipaper.net/yixuelunwen/1457.html

腎虚腰痛をキーワードに検索したらこの論文が出てきましたが、局所取穴で背部兪穴と八リョウというのはまだ良いとして、腎虚腰痛に遠隔取穴で人中(=水溝)、後溪、懸鐘に刺して腰の運動をさせるのは疑問に思います。

弁証取穴でも腎兪(BL23)、大腸兪(BL25)、膈兪(BL17)、委中(BL40)、腎経の太溪(KI3)、陰谷(KI10)と胆経の懸鐘(GB39)、脾経の血海(SP10)、大腸経の合谷(LI4)と理解しがたい配穴です。

腎虚腰痛に対しては推拿の先生方のほうがよほどきちんと弁証して、臨床的に納得できる見解を出しています。

2004年「推拿腎兪穴による老年腎虚腰痛の治療の臨床研究」
推拿肾俞穴治疗老年肾虚腰痛的临床研究
李勇 《山东中医药大学》 2004年
http://cdmd.cnki.com.cn/Article/CDMD-10441-2004102537.htm

湧泉(KI1)や腎兪(BL23)、命門(GV4)の擦法は技術があれば、十分に効くと思います。

2004年「推拿腎兪穴による老年腎虚腰痛の治療の研究」

推拿肾俞穴治疗老年肾虚腰痛的研究
于娟 《现代中西医结合杂志》 2004年10期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-XDJH200410013.htm

推拿の先生のほうが人体を丁寧にみてきちんと弁証している印象があります。今回の調査で感銘を受けたのは、日本でもベテランの先生はされていると思いますが、推拿の先生は腰痛の患者さんにおいて腹診をしっかりやっているということでした。

2018年「腹を推拿して腰を治す生理機序の初歩的探索」
“推腹治腰”生理机制初探
龙抗胜 赵锋 李洪亮 李铁浪 叶勇
《中国中医药信息杂志》 2018年07期 收藏 | 投稿 | 手机打开
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-XXYY201807003.htm
(オープンアクセスPDFファイルあり)

雑誌『中国鍼灸』にも腰痛に腹部を取穴する「後病前治」を唱えているのは鍼灸推拿併用の先生でした。

2015年「腰痛『後病前治』鍼灸推拿の臨床の構想の検討」
腰痛“后病前治”针灸推拿临床思路探讨
刘锦龙 李瑞 《中国针灸》 2015年07期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-ZGZE201507041.htm

2018年「慢性腰痛患者の腹部陽性反応物の分布の観察」
慢性腰痛患者腹部阳性反应物分布观察
李云 《北京中医药大学》 2018年
http://cdmd.cnki.com.cn/Article/CDMD-10026-1018187604.htm

これは腰痛患者の腹部の反応・圧痛を調べた論文で画期的だと思いました。こうしてみると中国の鍼灸+推拿併用の先生の弁証論治はかなり納得できます。それはからだを丁寧に触診して反応をみているからではないかと思いました。これからは鍼灸プラス推拿の先生を中心に調べるのは戦略的に良いかも知れません。

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