月経痛:フランス耳介医学の女性生殖器と中国耳鍼の内生殖器(子宮)穴

2005年「耳針による原発性月経痛の治療の臨床研究」
耳针治疗原发性痛经的临床研究
王铠 潘文宇 段颖华
《广东医学》 2005年12期


上記論文では、原発性月経痛に対して耳穴の三角窩にある内生殖器を使っています。昔は耳穴「子宮」と呼ばれていました。

他に中国式耳鍼では三角窩にある耳穴「神門」や中国弁証論治の考え方で五臓の肝腎から治療するために耳穴の「肝」や「腎」を用いています。

そして、中医学弁証論治の考え方なのに耳穴「内分泌」が併用され、西洋用語の耳穴「内分泌」の隣のツボは中医学用語の耳穴「三焦」なのです…。

私も耳の三角窩内の反応はずっと原発性月経痛の鎮痛に耳穴の指圧を補助的に用いていました。

ラファエル・ノジェ先生の耳介療法の初心者向け講義はヒエロニムス・ボッシュの『快楽の園』の悪魔が耳に針を刺しているスライドの説明から始まります。この悪魔は女性の生殖器にあたる耳穴に針を刺しているという偶然に驚くことからノジェ先生の講義は始まります。

ヒエロニムス・ボッシュの悪魔が直接、刺しているのはフランス式耳穴のクリトリスというポイントです。中国式耳穴にはクリトリスという耳穴は存在しません。フランス式耳穴の腎臓は中国式耳穴の腎からかなり離れた箇所にあり、フランス式耳穴の子宮も中国式耳穴の子宮とかなり離れた箇所にあります。偶然、ボッシュの悪魔がもっている針の他にもう1本の針が耳に刺さっている箇所は三角窩の尖った部分で、中国式耳穴、神門にあたります。つまり、中国式耳鍼の月経痛のツボである内生殖器=子宮とフランス式耳介医学の月経痛のポイントである子宮はかなり離れた場所にあるのです。

月経困難症に対して耳穴指圧は使われる頻度が高いです。耳穴を女性の疾患に臨床応用する際に、この問題は避けては通れないと感じます。

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