【BOOK】『漢方腹診考ー症候発現のメカニズム』

 
寺澤捷年著
あかし出版2016年10月
 
 
腹部鼓音、心下痞鞕、胸脇苦満、胃部振水音、臍上悸、腹直筋攣急、小腹不仁、鼠径部圧痛、瘀血圧痛点など、腹診をそのメカニズムから解き明かした名著です。これは鍼灸師の必読文献だと思います。なぜなら鍼灸による腹証の消失やその変化を根拠とされているからです。
 
 
2016年「心下痞鞕と背部兪穴との関連—心下痞鞕の発現機序に関する病態生理学的考察—」
寺澤 捷年『日本東洋医学雑誌』Vol. 67 (2016) No. 1 p. 1-12
 
 
日本漢方の腹診の心下痞鞕(しんかひこう)が第8胸椎〜第9胸椎(膵兪)や第10〜第11胸椎(胆兪)の鍼で消失したのをきっかけに28症例の心下痞の背中の脊柱起立筋群に鍼をしたところ、心下痞が消失したという研究です。
 
腹診を勉強していると、心窩部の腹診だけで心下満(しんかまん)、心下痞(しんかひ)、心下痞鞕(しんかひこう)、心下支結(しんかしけつ)、胸脇苦満(きょうきょうくまん)と多くの概念があります。メカニズムから考えることでかなり整理できると感じます。
 
 
 
 

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