高麗手指鍼 :鼻アレルギー

「手指鍼(수지침 :すじちむ)特別講義2:鼻アレルギー」
[수지침 특강2] 봄철 코알레르기

「A30」と「A28」は高麗手指鍼の任気脈に属します。

「A30」は奇穴の印堂に相当します。

「A28」は督脈の素りょうに相当します。

「E8」は高麗手指鍼の胃気脈に属します。

「E8」は足陽明胃経の人迎に相当します。

「C1」は高麗手指鍼の肺気脈に属します。

「C1」は手太陰肺経の中府に相当します。

素りょう、印堂、人迎、中府という配穴です。鼻アレルギーに人迎に相当する「E8」を使うのは、日本の鍼灸に似ていると感じました。

韓国の舎岩鍼(サアムチム)では別の方法を使うようです。

2011年2月 韓国東洋医学研究所
「鼻副鼻腔炎と喘息の混ざった通年性アレルギー性鼻炎患者の鍼治療」
Acupuncture Treatment of a Patient with Persistent Allergic Rhinitis Complicated by Rhinosinusitis and Asthma
Ae-Ran Kim, et al.
Evid Based Complement Alternat Med. 2011; 2011: 798081.
Published online 2011 Feb 10. doi: 10.1093/ecam/nep240
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3139975/

以下、引用。

鍼と電気刺激と赤外線照射療法を週に2回、5週間行った。肺虚にともなう鼻および鼻腔の気血停滞と診断された。

主要な局所鍼は上星(GV23)、印堂(EXー1)、両側の迎香(LI20)と合谷(LI4)を用いた。上星と印堂は鼻に向けて横刺で0.2寸の深さで刺した。

両側の迎香は斜刺で挿入し、同側の鼻孔に0.3寸の深さで刺した。両側の合谷は直刺で0.5寸の深さに刺した。それらのツボは雀啄や捻鍼を行い、患者が得気を感じた。

付加的な鍼として、左の太淵(LU9)、太白(SP3)、魚際(LU10)、少府(HT8)を使った。鍼は太淵は長母指外転筋とパラレルに遠位に向けての斜刺であり、太白は踵に向けて、第1中手骨に沿った方向である。魚際は手首の中手骨に沿った方向で、少府は手首に向けて第4・第5中手骨に沿って刺入した。これらは韓国の舎岩鍼法の治療である。

韓国の舎岩鍼法は肺虚証(肺の正格=肺の定格)には難経六十九難の母子関係から「太淵・太白の補法、魚際・少府の瀉法」を用います。韓国の舎岩鍼法にも多くの流派があるのですが、この流派では左側と片側のみで迎随補瀉しています。

そこに上星、印堂の横刺、合谷の直刺と迎香の電気鍼を使っていました。迎香は鼻の穴に向けての方向の斜刺でした。これは古典の『舎岩道人鍼灸要訣』の第40章、鼻痛門の鼻塞でも太淵・太白の補法、魚際・少府の瀉法が用いられていました。

1. 鼻塞
【療法】
太白‧太淵 補, 少府‧魚際 瀉. – 肺正格.
http://www.acuexpo.com/library/zhenjiu/saam.htm

『難経・六十九難』の虚すればその母を補う原則から、土穴の太白と太淵を補法します。
次に、五行の金と相克関係にある五行の火を瀉法します。火経の火穴である少府を瀉法し、肺経の火穴である魚際を瀉法します。

大腸勝格(大腸実証)の場合は陽溪と陽谷の補法、二間と足通谷の瀉法となります。大腸(金)と相克関係にある火経の火穴である陽谷を補い、肺経の火穴である陽溪を補法します。次に、水経の水穴である足通谷を瀉法し、金経の水穴である二間を瀉法します。

「大腸勝格(대장승격)」
보: 양곡, 양계(陽谷、陽溪)
사: 족통곡, 이간(足通谷、二間)
http://oh-chim.blogspot.com/2007/02/blog-post_6356.html

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