日本鍼灸の分析

2019年5月「日本鍼灸の発展および特徴の研究」
日本针灸的发展及特点研究
陈岩波 方芳
《针灸临床杂志》 2019年05期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-ZJLC201905019.htm
http://www.rentixuewei.com/…/z…/zhenjiu/2019/0803/15098.html


魏志倭人伝、知聡の『明堂図』、大宝律令の医博士・鍼博士などの制度、鑑真の日本渡来、 丹波康頼の『医心方』から論文がはじまります。丹波長基の『四花灸(論文では四花患门灸法)』は存在を知りませんでした(オリエント出版社に収録)。


寺川華奈著
『古記録の鍼灸─鎌倉時代・近衛家二代の日記より─』
日本医史学会雑誌 第54巻 第2号 128ページ

柳川靖泉の『鍼科発揮』はオリエント出版社から出ているのは知っていましたが、今回、初めて読みました。しかし、「撚鍼術の祖」という論文の記述はあまり理解できませんでした(下記のリンク先の11ページに撚鍼に関する記述あり)。

柳川靖泉『鍼科発揮』
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00005045…

多田二郎為貞や御薗意斎、吉田意休の名前が出ているのに驚きです。吉田意休『刺鍼家鑑』もこの機会に今回、初めて読みましたが、ツボの名前がオリジナルすぎて理解できません。

吉田意休『刺鍼家鑑』
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00002878…

他にも田中知新著『鍼灸五蘊鈔』や島浦和田一『杉山真伝流』、石坂宗哲などいままでの中国の論文以上に日本について詳しかったです。ただ、日本の流派分類は疑問でした。

日本汉方医学体系不仅分后世派、古方派、折衷派、考据派, 日本医家还研制新针法, 创立了许多针灸流派, 如御园意斋派、泽田派、玉森天心派、柳谷素灵派、本间祥白派及蛎崎要派等。

後世派、古方派、考証学派までは良いとして、御薗意斎派も澤田健の沢田流太極療法も良いです。しかし、玉森天心派というのがあったのでしょうか。私が知らないだけでしょうか。

柳谷素霊派が『経絡治療』を主張したという記述もまだ、ぎりぎりOKですが、その直後に「本間祥白派」を論じ、「本間祥白派はさらに経絡治療を重視し、経絡の他に治療点は無いと論じた」という記述には納得しかねます。著者の黒竜江省の先生方は優秀だと思うのですが、経絡治療の流派内に良い情報提供者を持っていなかったのではないでしょうか。

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