国家が管理する身体:小学生の体育の授業で気功「五禽戲」が提案される

 
2021年3月12日
「全人代の代表の陳静女史が伝統体育科目を学校に推薦」
全国人大代表陈静:推动传统体育项目进校园
 
 
中国の立法機関、全人代で華佗が創った導引気功である「五禽戲(ごきんぎ)」が小学校の体育授業で取り入れられることが提案されました。五禽戲は鹿・猿・熊・虎・鳥など五種類の禽獸の動きを真似た導引です。
 
中国では1999年法輪功事件のあと、2004年に国家体育局が五禽戲、六字訣、八段錦、易筋経の四大伝統気功のみを国家公認の健身気功として普及することを決めました。さらに、2020年に中国の国家体育総局は健身気功を11種類に増やすことを決定しました。
 
 
2020年7月31日
「11種類の健身気功を推奨できることを国家体育総局が確認した」
这11种健身气功功法可以推广,国家体育总局明确了
 
一、健身气功·易筋经
二、健身气功·五禽戏
三、健身气功·六字诀
四、健身气功·八段锦
五、健身气功·太极养生杖
六、健身气功·导引养生功十二法
七、健身气功·十二段锦
八、健身气功·马王堆导引术
九、健身气功·大舞
十、健身气功·明目功(青少版、成人版)
十一、校园五禽戏(小学版、初中版、高中版)
 
 
「大極養生杖」は聞いたことがないと思ったら、案の定、中国国家体育局が2010年に創った「伝統気功」だそうです。導引養生功は張広徳先生が創った有名な気功であり、研究したことがあります。健身気功は中国伝統医学にインスパイアされた中国共産党政府の官僚がクリエイトした新しい「伝統」です。体操になってしまった健身気功が22世紀に生き残っているかは、非常に疑問です。
 

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