豊隆と祛痰の謎

京都大学貴重資料デジタルアーカイブ
(編註)医学入門 2巻 64ページ
https://rmda.kulib.kyoto-u.ac.jp/item/rb00000897

64ページに豊隆の主治として「豊隆は痰のめまい、嘔吐、哮喘を主る」という記述があり、これは豊隆が痰を主治するという記述の理論的根拠の一つになっているようです。

丰隆 主痰晕,呕吐,哮喘
《医学入门》治病要穴
http://www.zysj.com.cn/lilunshuji/yixuerumen/346-7-8.html

明代の李梃著、『医学入門』は1575年に出版されています。モンゴル時代(元代)、王国瑞著、
『扁鵲神応鍼灸玉龍経』「玉龍歌」は1329年になります。

以下、引用。

痰はすべからく豊隆を瀉法し、喘息は丹田を治療するのも良い。

痰多须向丰隆泻,喘气丹田亦可施。
《扁鹊神应针灸玉龙经》劳证
http://zhongyibaodian.com/bianqueshenyingzhen…/300-2-41.html

『医学入門』では、足三里が中湿を主治するという記述もあり、足三里が湿を治療できて、豊隆が痰のめまいを主治するというのは、中国伝統医学の古典には根拠があります。しかし、豊隆が高脂血症を治療できるというのは現代中医学の独自の見解になると思います。

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