皮内鍼、撳針

2013年「痛証の撳針療法治療の臨床発展」
揿针疗法治疗痛证的临床研究进展
石华锋 罗桂青 李磊
《湖南中医杂志》 2013年05期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-HNZO201305080.htm

撳針(きんしん)は円皮鍼であり、中国では「皮内鍼」や「埋鍼」です。実際は円皮鍼、埋鍼ですが、中国では皮内鍼の名前で操作技術が標準化されています。

2012年「国家標準『鍼灸技術操作規範第8部:皮内鍼』」
国家标准《针灸技术操作规范第8部分:皮内针》编制体会与探讨
罗玲 袁成凯 尹海燕 曾芳 唐勇 余曙光
《中国针灸》 2012年02期
http://www.cnki.com.cn/Article/CJFDTOTAL-ZGZE201202031.htm

円皮鍼は中国式得気、つまり「酸:痛み、またはヒリヒリ感。中国語では『だるい感じ』」「脹:充満感・膨張感・圧力感」「重:重い感じ」「鈍:鈍い感じ」「麻:しびれた感じ、またはチクチク感」が存在しません。つまり、従来の鍼の治効理論がまったく当てはまりません。このあたりを中国がどのようにとらえているかを知りたかったのですが、あまり研究は存在しない印象でした。

そして、中国ではセイリンの円皮鍼への関心が高まっています。

2017年「中国針灸学会皮内鍼専門委員会設立大会 第1回皮内鍼学術交流大会参加報告 ~中国における円皮鍼療法に対する関心の高まり~」
『医道の日本』 76(9): 186-187, 2017.

円皮鍼・皮内鍼が一番得意なのは痛証ですが、赤羽幸兵衛先生ご自身が1950年代に月経痛や喘息について書かれています。

1957年「皮内針と喘息の一症例」
赤羽 幸兵衛『日本東洋醫學會誌』1957 年 8 巻 2 号 p. 60-61
https://www.jstage.jst.go.jp/…/kampomed1950/8/2/8_2_60/_art…

中国でも痛み以外の疾患への円皮鍼=撳針の研究が数多くありました。

赤羽幸兵衛先生の研究を調べていると、赤羽幸兵衛先生が「灸の響き」や「鍼の響き」について論文を書かれていることがわかりました。

1953年「鍼灸による響きの観察 (第1報)特に陰維脉と裏内庭について」
赤羽 幸兵衛
『日本東洋醫學會誌』1953 年 4 巻 1 号 p. 19-20
https://www.jstage.jst.go.jp/…/kampomed1950/4/1/4_1_19/_art…

1960年「針灸による響きについて」
赤羽 幸兵衛
『日本鍼灸治療学会誌』1960 年 9 巻 3 号 p. 25-28
https://www.jstage.jst.go.jp/…/jjsam1955/9/3/9_3_25/_articl…
※ 施灸による響きが、しかも緩やかな速度で経絡の走向に沿って現われたことを報告しておった。

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