慢性痛を持つ米国退役軍人はオピオイド鎮痛剤を代替医療に取り替えつつある

 
2021年4月 米国退役軍人省(VA)公式ブログ
「慢性痛を持つ米国退役軍人はオピオイド鎮痛剤を代替医療に取り替えつつある」
Veterans with chronic pain are replacing opioid pain medications
 
 
 
米国退役軍人省の公式ブログです。同省は米国政府内で国防総省に次ぐ予算規模を持つ超巨大組織です。以下、引用。
 
研究報告書は、退役軍人たちが「ホール・ヘルス・アプローチ」に転換しつつあることを確証している。
 
慢性痛を持つ退役軍人たちのパイロット研究において、18の『フラッグシップ』ヴェテラン・メディカル・センターで、10万人以上の退役軍人たちがオピオイド鎮痛剤の意味ある減少をホール・ヘルス・サービスで達成した。
 
ホール・ヘルス・アプローチは従来のケアである鎮痛剤とカウンセリング、補完統合ケア(鍼やヨガ)をともに協働させようというプランである。
 
退役軍人メディカルセンターの患者中心ケア評価は、ホール・ヘルス・フラッグシップは2018年1月から2019年10月の間に慢性痛を持つ退役軍人たちがホール・ヘルス・サービスで以前よりもオピオイド鎮痛剤処方の減量を報告したことを示した。
 
退役軍人におけるオピオイド使用はホール・ヘルスで38%減少した。ホール・ヘルスを使用していない者よりも11%の減少である。加えて、ホール・ヘルスを利用した退役軍人たちは、使っていない者よりも3倍もオピオイド鎮痛剤をコントロールしていた。
 
ホール・ヘルスと関わる退役軍人は193%も増加した。
 
 
 
2014年2月に米国退役軍人省は「オピオイド・セーフティ・イニシアティブ」というオピオイド・アヘン麻薬の過剰処方を減らすために鍼・ヨガ・瞑想・カイロプラクティックなどの代替補完医療を活用する戦略を発表しました。2018年1月、同省は代替医療によるオピオイド処方率減少を報告します。
 
 
2018年1月18日「退役軍人病院はオピオイド処方率で最大の減少を報告した」
 
 
 
ここからアメリカの各州の鍼の保険制度が激変していきます。
2018年2月にカルフォルニア州、マサチューセッツ州、オレゴン州、ロードアイランド州の鍼の保険適応が報道されます。2018年3月にコネチカット州の鍼の保険適応が報道され、2018年7月にテネシー州の鍼の保険適応が報道され、2018年9月にデラウェア州、ニュージャージー州の鍼の保険適応が報道されます。2019年3月にニューハンプシャー州が耳鍼を推奨し、ウエストヴァージニア州が保険を適応しました。2019年4月にはミズーリ州、オレゴン州、フロリダ州の保険適応が報道されました。2020年12月にはルイジアナ州で鍼に保険が適応されました。2020年1月にはアメリカの公的保険、メディケアに鍼が適応されました。
 
 
2020年1月24日 『フォーブス』
「メディケアはオピオイド危機のため、鍼に一部支払いをする」
Medicare Will Now Pay For Acupuncture In Part Due To Opioid Abuse
 
 
そして、2021年4月のアメリカ退役軍人省の研究報告書が発表されました。
 
 
2021年4月 米国退役軍人省公式ブログ
「慢性痛を持つ米国退役軍人はオピオイド鎮痛剤を代替医療に取り替えつつある」
Veterans with chronic pain are replacing opioid pain medications
 
 
 
 

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