五運六気:辛丑

 
 
宋代の医書『聖済総録』辛丑歳図です。
 
 
2021年辛丑年は太陰湿土司天、太陽寒水在泉、水運不及です。
 
一年を通じて寒湿の気が強いのが特徴です。
今年はとにかく雨が多く、五運六気は大当たりの印象があります。
 
 
四の気である大暑7月23日頃か、秋分9月23日頃、太陰湿土の季節であり、客気として少陽相火の気があり、火と土が合わさって湿熱の気が強くなり、冷風も吹き、湿がかたまって流れず、秋令があれば民は皮膚腠理の熱となり、出血し、心下や腹が脹満して、浮腫となり、少陽の客気を治療するが宜しいというのが、この季節の五運六気です。
 
 
五の気は秋分の日の最初の亥の日(9月24日金曜日)から小雪(11月22日~)の最初の酉の日(12月3日)です。
 
約60日は陽明燥金が主気であり、客気が陽明燥金であり、五運の主運は水運なので、冷たく乾燥する。寒露が降りて霜がはやくおりる。草木は黄色く落ちて寒気は体に及び、君子は皮膚の汗腺が締まることで秋の収斂の気に対応しているが、民は皮膚病を病む。陽明燥金の客気を治療するが宜しい。酸味で補い、辛味で瀉し、苦みでこれを泄する。
 
 
 
終の気は小雪~大寒までの約60日です。
 
主気は太陽寒水であり、客気は太陽寒水であり、主運は水運であり、寒が多いにおこり、湿が変化し、霜がとどこおり、陰が凝滞し、水は堅く冰(こおり)となり、陽光は注がず、寒を感受すれば、すなわち病人は関節が固まり腰痛となる。寒湿が気と交わり、病気となり、太陽の客気を治療するが宜しい。苦みで補法し、鹹味で瀉法し、苦みでこれを堅め、辛味でこれを潤す。
 
 
秋分以降の辛丑の残りの気候予測として参考になるかもしれません。
 
 

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