五運六気:2022年壬寅(みずのえ・とら)

 
 
宋代の医書『聖済総録』壬寅歳図です。
 
 
2021年は辛丑(かのと・うし)でした。
2022年は壬寅(みずのえ・とら)になります。
 
2022年は少陽相火司天・厥陰風木在泉、木運太過となります。
 
辛は「辛(つら)い」年でした。丑は植物が芽吹いて、伸びようとして伸びないようす、紐がついているような状態です。
 
壬(みずのえ)は妊娠の「妊」です。陽気が地中に潜伏して万物が懐妊している様子です。
 
壬は経絡では足太陽膀胱経です。
 
寅は伸びることです。経絡では手太陰肺経です。
 
初の気は辛丑の大寒の初申日(2022年1月31日)から始まり、春分の午日(3月30日)までの凡そ60日です。
 
主気は厥陰風木で、客気は少陰君火であり、木運太過であり、少陽相火が政令をおこない、地気がすなわち遷り、風が勝り揺れて、寒すなわち去る。気候は大温となり、草木は早くはえて、寒が来ても殺さず、温病すなわち起こる。その病は気が沸騰して上にあり、出血して、目赤く、咳逆して頭痛し、脇満し、皮膚ソウリは瘡となる。少陽の客気を治療するが宜しい。鹹をもって補い、甘味をもって瀉し、酸味をもって収斂する。
 
 
二の気は春分の午日(3月30日)から小満の辰日(5月27日)です。
 
主気は少陰君火であり、客気は太陰湿土であり、木運太過であり、風湿の気があり、畏火の政である。火はかえって鬱し、白埃が四方に起き、雲雨がふり、風が湿土を相克せず、雨が零する。民はすなわち安康であり、その病は熱が上に鬱し、咳逆して嘔吐し、皮膚病が中に発する。胸のどが不利となり、頭痛・発熱し、頭がぼんやりして膿瘡となる。太陰の客気を治療するが宜しい。甘味をもって補い、苦みをもって瀉法する。甘味をもってこれを緩める。
 
 
三の気は小満の辰日(5月27日)から大暑の卯の日(7月25日)のおよそ60日です。
 
主気は少陽相火であり、客気は少陰君火であり、木運太過であり、火がかさなり、木運をえて、天政がしかれ、炎暑が至る。少陽は上にあり、雨ははてなく、民は熱中を病む。耳聾、めまい、出血、膿瘡、咳、嘔吐、鼻出血、渇き、くしゃみ、のどの詰まり、目赤、突然死などがある。少陽の客気を治療するが宜しい。鹹味をもって補い、甘味をもって瀉す。
 
 
 

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