魏晋南北朝の歴史を読んでいると、どうしても必要になるのが中国仏教と道教の知識です。
特に葛洪は『肘後備急方』で灸を多数、記述していますが、同時に『抱朴子(ほうぼくし)』を書いた錬丹術の人物でもあります。『晋史』に列伝がありました。
また、南朝の梁の山中宰相、陶弘景は『本草経集注』を書いた中国伝統医学の人物であると同時に、道教の重要人物です。
後の世でも金元の「馬丹陽天星十二穴」の馬丹陽や、明代、李時珍の『奇経八脈考』に引用される多くの文献は道教文献です。
しかも、最後に年表と「読書案内」が付録されているのですが、これが初学者にとっては最高のブックガイドになっており、神塚淑子先生が在職中、どれだけ学生に対して誠実な講義を行ってきたかが推測できる内容になっています。
昨年、2020年9月に出版された本ですが、この「読書案内」を読むだけでも価値があります。