澄江鍼灸学派:謝錫亮先生の「鍼灸基本功」

 
 
 
『鍼灸の基本トレーニング・基本技術・基本動作』
针灸基本功
謝錫亮,関玲編著
人民衛生出版社
2007年04月
 
 
承淡安先生に学ばれた謝錫亮先生の『鍼灸基本功』は読んで感動しました。
澄江鍼灸学派を学んできて本当に良かったです。
 
第1章のタイトルは「(鍼灸基本知識・技術における)文学的素養の重要性」です。
 
「医学者の多くは大文学者であった」
 
「大儒学者でないなら大医学者ではない」という言葉における「儒」とは、哲学・歴史学・文学などの古代文化の意味である。
 
惲鐵樵は若き日は文学者であり、40歳を過ぎてから苦学して中医と西医を学んだ。
 
(中国伝統)医学の基礎は古代中国文化であり、(中国伝統)医学研究をなしとげるには重要である。
 
そして、医古文の重要性を説いたあとで歌訣です。
「十四経の歌を唱えろ」、すなわち、江戸時代の「医者の子は五つ六つから『十四経』」というアレです。
 
江戸時代の寺島良安は『和漢三才図絵』を著しました。むかしの伝統医学者は、天地人三才のすべてに通じないといけませんでした。
 
 
現代中国でも、1959年に上海中医学院の教科書『鍼灸学』を書いた裘沛然先生は、単なる医師ではなく、『辞海』という中国語辞典の編纂にも関わった大人文学者で、大教養人です。
 
江戸時代の日本も、貝原益軒、本居宣長、中江藤樹はいずれも哲学者・思想家、歴史家、人文学者であると同時に、東洋医学の実践者でした。
 
 

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