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てんかん

 
 
 
 
以下、引用。
人間の言語や推論に含まれるあいまい性を数値化するファジー理論で知られる九州工業大名誉教授で、ファジィシステム研究所の山川烈理事長(75)=福岡県飯塚市=が、はり・きゅうを取り入れたてんかん治療の研究を始める。3月にはり師、きゅう師の国家試験に合格し、「100歳まで研究を続ける」と意気込む。
 
山川氏はファジー理論の第一人者。ファジー理論と神経科学などを融合し、難治性てんかんの治療法を研究している。
 
2011年、九工大の研究グループでラットを使った実験を実施。てんかんの原因となる脳細胞の患部を凍結し、壊死させる手術器具の開発に成功した。ところがその後、患部は脳内に種をまいたように発生する場合があることが分かり、この器具では根治につながらないと判断。別のアプローチを模索し、たどり着いたのが東洋医学のはり・きゅうでの治療だった。
 
はり・きゅうを選んだのは「人間に備わる自然治癒力を呼び起こす力があるから」。つぼは体の各所に一定の範囲で存在することから、「あいまいさを扱うファジー理論とも相性がいい」と話す。資格取得に向け、70歳で北九州市にある専門学校の夜間コースに通い始めた。
 
 
「なぜ」を追究する研究者の血が騒ぎ、問題と答えの因果関係を考えだしたら止まらなくなった。教科書に答えがない疑問は調べながら勉強。通常は3年で卒業のところ、2年留年した。「孫世代の人たちと頑張った」と山川氏。東洋療法研修試験財団(東京)によると、3月の受験生の中では最高齢の合格者だった。
 
北九州市の研究所に診察室などを設け、年内にもてんかんの研究を再開する予定。てんかん患者や主治医ら協力者と研究組織をつくり、はり・きゅうでの治療効果を調べる。山川氏は「研究を進め、困っている患者や家族をサポートしたい」と力を込める。
 
 
山川烈先生はファジー・コンピューティングの専門家です。
 
 
1988年「ファジー・コンピューティング:理論、ハードウェア、アプリケーション」
Fuzzy Computing: Theory, Hardware, and Applications
Takeshi Yamakawa
Elsevier Science Ltd (1988/10/1)
 
 
現在の薬物療法は安価で7割のてんかん患者は完全にコントロールできています。
臨床的問題とは、残り3割の難治性の患者さんにどう対応できるかです。
 
 
2014年コクランシステマティックレビュー
「てんかんの鍼」
Acupuncture for epilepsy.
Cheuk DK
Cochrane Database Syst Rev. 2014 May 7;(5):CD005062.
 
 
以下、引用。
著者の結論: 参考にできるRCTが少なく、異質性があり高いバイアスのリスクが認められた。現時点のエビデンスでは、てんかんに対する鍼療法は支持されなかった。
 
 
2014年「難治てんかんの鍼治療:視床の役割」
Acupuncture for Refractory Epilepsy: Role of Thalamus
Shuping Chen,
Evid Based Complement Alternat Med. 2014; 2014: 950631.
Published online 2014 Dec 7.
 
 
以下、引用。
【難治性てんかんへの鍼穴の処方】
ツボは百会(GV20)、腰奇(EXーB9)、内関(PC6)、ダン中(CV17)、豊隆(ST40)が普通、用いられる。
 
てんかんの強直間代発作は百会(GV20)、鳩尾(CV15)、腰奇、豊隆(ST40)以外にも、肝兪(BL18)、陽陵泉(GB34)、心兪(BL15)がしばしば用いられる。
 
てんかん重積状態や不断の発作は命の危険がある状態であり、強い手技鍼刺激で複数の経絡を刺激する。百会(GV20)、内関(PC6)、豊隆(ST40)、GV26(水溝)、合谷(LI4)、太衝(LR3)、湧泉(KI1)、間使(PC5)、神門(HT7)、関元(CV4)、印堂、風池(GB20)を発作がおさまるまで刺激する。
 
 
加えて、この分野では2012年に画期的な耳鍼による迷走神経刺激法が開発されました。
 
 
2012年
「耳鍼は副交感神経システムを活性化させることでてんかん発作を抑制するのかもしれない:仮説にもとづく画期的な方法」
Auricular Acupuncture May Suppress Epileptic Seizures via Activating the Parasympathetic Nervous System: A Hypothesis Based on Innovative Methods
Wei He, et al.
Evid Based Complement Alternat Med. 2012; 2012: 615476.
Published online 2012 Feb 1.
 
 
 
2018年「てんかんの針灸治療の機序研究の概況」
针灸治疗癫痫的作用机理研究概况
吴立群 邹小秋 李荣蓉 谢丹 李可欣 汤顺莉 易玮
《江苏中医药》 2018年02期
 
 
癲癇(てんかん)は中医学では「癇証」または「羊癇風」に分類されます。
癲狂とは全く意味が違うのですが、混同されがちです。
 
『黄帝内経素問・奇病論篇』に「癲は子どもが胎内にいるときに起こる」という論述があります。
 
隋代、巣元方の『諸病源候論』では、熱が原因の陽癇と痰や虚証が原因の陰癇に分類されています。
 
唐代、『備急千金要方』では癲癇の病名が初めて使われました。
 
宋代、陳言の『三因極一病証方論・癲癇叙論』では、臓気不平から欝して経絡が閉塞し、厥となり、母胎内で驚いたり、風寒暑湿を受けたり、飲食不節で臓気が逆するという病因論を提出しています。 
 
元代、朱丹渓の『丹渓心法・癇』では「癇証には五種類があるが、痰涎が閉塞して、竅を迷悶せざるものはない」と痰を病因として論じています。
 
 宋代、銭乙の『小児薬証直訣』では、「五癇」として犬癇、羊癇、牛癇、鶏癇、猪癇を提出していますが、細部は不明です。
 
また、『備急千金要方』では「五臓癇」という、肝癇、心癇、脾癇、肺癇、腎癇という分類も存在します。
 
風邪や内風による風癇や精神的原因で起こる驚癇、飲食不節が原因で起こる食癇、痰が原因で起こる痰癇、飲が原因で起こる飲癇という分類もあります。
 
清代の王清任が瘀血阻络が病因であるという活血化瘀学説を提出しています。
 
 
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