アメリカ鍼灸革命とオピオイド危機

 
 
2022年2月10日 『ニューヨークタイムズ』
「CDCはオピオイド使用を含む疼痛治療の新しいガイドラインを提案した」
 
 
以下、引用。
 
推奨事項の目的は、医師はまず、ガバペンチンなどの処方薬やイブプロフェンなどの市販薬、理学療法、マッサージ、鍼治療など、慢性および急性の両方の痛みに対してノン・オピオイド療法に目を向けるべきであるというものであった。
 
 
鍼やマッサージです。
 
 
【アメリカのオピオイド危機と鍼】
 
2014年2月にアメリカ退役軍人省は「オピオイド・セーフティ・イニシアティブ」というオピオイド・アヘン麻薬の過剰処方を減らすために、鍼・ヨガ・瞑想・カイロプラクティックなどの代替補完医療を活用する戦略を発表しました。
 
 
2018年1月に、アメリカ退役軍人省は代替医療によるオピオイド処方率減少を報告します。
 
 
2018年1月18日
「退役軍人病院はオピオイド処方率で最大の減少を報告した」
Veterans hospitals report large decrease in opioid prescription rates
 
 
ここからアメリカの各州の鍼の保険制度が激変していきます。
 
2018年2月 カリフォルニア州、マサチューセッツ州、オレゴン州、ロードアイランド州の鍼の保険適応が報道される。
 
2018年3月 コネチカット州の鍼の保険適応が報道される。
 
2018年7月 テネシー州の鍼の保険適応が報道される。
 
2018年9月 デラウェア州、ニュージャージー州の鍼の保険適応が報道される。
 
2019年3月 ニューハンプシャー州が耳鍼を推奨し、ウエストヴァージニア州が保険を適応する。
 
2019年4月 ミズーリ州、オレゴン州、フロリダ州の保険適応が報道される。
 
2020年12月 ルイジアナ州で鍼に保険が適応される。
 
 
2020年1月には、アメリカの公的保険、メディケアに鍼が適応されました。
 
 
2020年1月24日『フォーブス』
「メディケアはオピオイド危機のため鍼に一部支払いをする。」
Medicare Will Now Pay For Acupuncture In Part Due To Opioid Abuse
 
 
2020年8月3日にイギリスNICEがオピオイド鎮痛剤の代わりに鍼を推奨しました。
 
 
2020年8月3日
『英国国立医療技術評価機構(NICE)』
「慢性疼痛に一般的に使われている治療法は有害であり、使われるべきではないとNICEはガイドライン文書で述べる」
 
 
以下、引用。
薬物療法のかわりに、2020年9月14日に公開されるガイドライン文書では慢性疼痛の人々にエクササイズ、ある種類の精神療法、または鍼を推奨している。
 
ガイドライン文書は、慢性疼痛の人々にある種類の抗うつ剤を推奨している。しかし、パラセタモール(アセトアミノフェン)、非ストロイド系抗炎症剤(アスピリンやイブプロフェンを含む)、ベンゾジアゼピン、オピオイド麻薬鎮痛剤を推奨すべきではないと述べている。
 
ガイドライン文書は、ガバペンチノイドを含む抗てんかん薬(訳者注:リリカなど)、局所麻酔薬、ケタミン、コルチコステロイド、向精神薬は、慢性疼痛の人々に推奨されるべきでない。これらは慢性疼痛の治療に効果があるというエビデンスはまったく存在せず、しかも有害である可能性がある。
 
鍼は、明確に定義されたパラメーターのもとで提供されるなら、原発性慢性疼痛の人々への選択肢として推奨される。
 
 
2021年4月のアメリカ退役軍人省の研究報告書が発表され、鍼がオピオイドの代わりに使われている実情が報告されています。
 
 
2021年4月アメリカ退役軍人省(VA)公式ブログ
「慢性痛を持つアメリカ退役軍人は、オピオイド鎮痛剤を代替医療に取り替えつつある」
Veterans with chronic pain are replacing opioid pain medications
 
 
2022年2月にアメリカ疾病予防管理センターCDCが疼痛ガイドラインでオピオイドの代わりに鍼を推奨します。
 
 
2022年2月10日『ニューヨークタイムズ』
「CDCはオピオイド使用を含む疼痛治療の新しいガイドラインを提案した」
C.D.C. Proposes New Guidelines for Treating Pain, Including Opioid Use
 
 
 
 

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