コロナ後遺症の深刻な実態

2022年2月12日 共同通信
『軽症で回復したはずだった」コロナ後遺症の深刻な実態 1年以上苦しみ、今なお治らない記者の記録』


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以下、引用。

この頃の自分は暗いトンネルの中にいるようだったが、7月末ごろから徐々に改善した。役に立ったとみられるのは「慢性上咽頭炎」の治療だ。

日本病巣疾患研究会の堀田修理事長によると、後遺症患者の多くが重度の慢性上咽頭炎という。ウイルス感染などにより、鼻と喉の境で炎症を起こして慢性化すると、うっ血状態となり、脳機能が低下して自律神経障害などを引き起こすと考えられている。

これに対する治療は上咽頭擦過療法(EAT)と呼ばれる。塩化亜鉛溶液を浸した綿棒を鼻や喉から突っ込み、患部をこすって亜鉛の殺菌作用で上咽頭のうっ血状態を解消し、炎症を和らげる。

堀田理事長によると、新型コロナワクチン接種後、倦怠感などの慢性的な不調が続く人も慢性上咽頭炎になっている人がおり、EATによる効果がみられるという。

記者も治療を受けるべく近くの耳鼻科に通った。上咽頭には重度の炎症が起きており、最初はすさまじい激痛でパニックを起こしそうになった。例えるなら後頭部を鈍器で殴られるよう。あまりの痛みに、病院を出た後に何度か一人で泣いた。ただ、処置後は頭が晴れ渡るようにすっきり。なぜか気持ちも一気に前向きで穏やかになった。

8月下旬になると、EATが奏功したのか体調が改善し、実家から自宅に戻った。自分で家事もこなせ、1時間程度は出歩いても倦怠感が出なくなった。

11月中旬、復職に向けて産業医と面談するために出社した。半年ぶりだ。所属する社会部では、上司や同僚が温かく迎えてくれ、回復を喜んでくれた。くじけずに頑張ってきてよかったと目頭が熱くなった。

▽それでも不調はなくならない
11月末にようやく仕事復帰を果たした。予想通り、初日から倦怠感がぶり返した。

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