カナダ・オンタリオ州の鍼灸規制緩和

2022年3月2日
「カナダ・オンタリオ州は中医学と鍼を規制緩和する」
Ontario planning to deregulate traditional Chinese medicine, acupuncture

カナダのオンタリオ州では2005年に中医学法(Traditional Chinese Medicine Act)が出来ました。

この法律では、CTCMPAO(オンタリオの中医学と鍼師統括機関:College of Traditional Chinese Medicine Practitioners and Acupuncturists of Ontario)に登録しない人の鍼を禁止していました。810時間の臨床実習を含む3.150時間の鍼のトレーニングが必要でした。

ところが、2022年にオンタリオ州が新たに導入した労働法「Bill 88, 2022」では事実上、この鍼の免許登録制度が撤廃され、誰でも鍼がうてる制度になるようです。保険も支払われないようです。

最近、カナダの政治事情の本を読むと、老若男女で新自由主義とリバタリアンが大流行しているようです。

免許の規制緩和と聞くと、どうしても新自由主義のミルトン・フリードマンの免許廃止論を思い出します。

ミルトン・フリードマンは『資本主義と自由』の中で、医師免許制度をはじめとする全ての免許制度の廃止を主張しました。

最近の日本の政治家が大好きなクーポン制度や教育バウチャー制度は、ミルトン・フリードマンの主張そのものです。現在、50代以上の男性が若かりし頃はシカゴ学派経済学と新自由主義が大流行しました。彼らの思考方法は若い頃の流行にいまだに影響されています。

ミルトン・フリードマンの「新自由主義」シカゴ学派経済学は、1960年代の中南米や南米で実験的に導入され、それらの国々を財政破綻・失敗国家に追い込み、1980年代からはサッチャリズム、レーガノミクスとして英米などの先進国で導入され、いま日本でも大流行しています。
 
カナダでは「鍼と中医学の規制緩和を止めよう(Stop Deregulating Acupuncture and Chinese Medicine)」という署名サイトも立ち上がっているようです。要注目です。

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