肥満細胞と難経の衛気と横刺

2022年3月15日 ヴィヴィエン・チャン鍼師
『アキュパンクチャー・トゥデイ』
「『衛気』と肥満細胞」
Wei Qi and Mast Cells
WEI (VIVIEN) ZHANG, LAC
Acupuncture Today – April, 2022, Vol. 23, Issue 04
https://www.acupuncturetoday.com/mpacms/at/article.php…

先に記した「鍼と肥満細胞」の続編です。

以下、引用。

ニードル・ハロー現象(フレア現象)を書いた文献は多くない。いくつかの文献では、肌が鍼で赤くなるのは、その鍼の局所に経絡のエネルギーが集まっているとしている。

肥満細胞は免疫調節機能に重要な役割があり、病原体が侵入したら迅速に反応する。

衛気と営気(=栄気)など、気のタイプによって鍼の深さを変える。難経は、衛気には浅く刺し、栄気には深く刺す。

衛気に刺すときは栄気を傷つけずに浅く皮膚に水平刺・横刺する。

栄気に刺すときは、まずツボを押して衛気を散らしてから鍼を挿入する。

先月の論文で書いたように、肥満細胞と鍼のツボの分布は相関関係があり、肥満細胞は鍼のターゲットである。衛気に刺すテクニックは、刺したエリアの組織損傷により肥満細胞をより活性化し、より脱顆粒させ(ヒスタミン・アセチルコリン・ブラジキニンを放出させ)、鍼による炎症の治癒フェーズを起こすのである。

『難経・七十一難』では、横刺を意味する臥鍼があります。
衛気を刺すには横刺します。

七十一难曰:经言:「刺荣无伤卫,刺卫无伤荣。」何谓也?
然:针阳者,卧针而刺之;刺阴者,先以左手摄按所针荣俞之处,气散乃内针。是谓刺荣无伤卫,刺卫无伤荣也。

営気(栄気)を刺すには、左手でツボを押して気を散らしてから刺すことで衛気を傷つけないようにします。

<参照>
■ツボと肥満細胞

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