シンガポールの中医学の台頭

2018年7月
「シンガポールの中薬と針刺治療を用いたドライアイの臨床科学研究」
新加坡以中药及针刺治疗干眼的临床科研研究
林秋霞《新加坡中医杂志》第44期2018年7月
http://www.singaporetcm.com/…/xinjiapozhongy…/list_96_1.html
(全文オープンアクセス)

※承泣(ST1),攒竹(BL2),风池(GB20),太阳(EX-HN5),泪三针及3个肢体穴位,三阴交(SP6),合谷(LI4),足三里


シンガポール中医師会のホームページで、全文、PDFファイルで無料で読めます。

中華人民共和国・共産党の中国はもちろん中医学の中心なのですが、台湾の中医学もありますし、アジアの華僑文化圏の国、シンガポールも現在、急速に中医学が発展しています。

2000年にシンガポールで中医学法2000(Traditional Chinese Medicine Practitioners Act 2000)ができます。

2001年からは、登録すれば(中国の)中医師が鍼灸臨床をできるようになりました。

2011年には中国政府とシンガポール政府が共同出資でシンガポールに中医学を専門とする福建シンガポール友好総合病院を設立しました。

2012年以降、毎年3百万シンガポールドルをシンガポール政府は中国伝統医学の研究に費やしています。

2013年にはシンガポール保健省、国立依存症マネージメント・サービスに鍼クリニックができました。

2017年にはシンガポール保健省は500万シンガポールドルを中国伝統医学の研究助成金として拠出することを決定しました。

この2018年のシンガポール眼科研究所のドライアイの鍼灸研究は、シンガポール政府から29万ドル(約3,000万円)の研究費用が拠出されています。2000年から2022年のシンガポール鍼灸の発展は飛躍的です。

現在、中国では憲法に中医薬の発展が明記され、中医薬法があり、国家的に中医薬が推進され、EBМセンターにより中医学を国家的に推進させようとしています。

アメリカは現在、鍼灸の科学的研究の中心地の一つですが、著者名をみると、論文は英語でも結局は中国系の名前であり、留学生です。
東南アジアの各国にも華僑が存在し、シンガポールのように急速に国家が鍼灸研究を推進しています。

率直にいって、現在の日本の現況は政治・経済・学術における高齢者男性リーダーたちの情報分析の失敗と判断の失敗の集積の結果です。内向きの組織内マウンティングのみにエネルギーを使ってきたことが原因です。

名著『失敗の本質』における、防衛大学幹部による第二次世界大戦の失敗分析とまったく同じものが原因にあります。情報分析とインテリジェンスの欠如ゆえに現状の理解ができず、さらに政治的判断を間違え続けているわけです。

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