2022年3月24日『神経科学フロンティア』
「経皮性耳介迷走神経刺激は慢性不眠症患者の前頭前野を調節する：最初のfМRI研究」
Transcutaneous Auricular Vagus Nerve Stimulation Modulates the Prefrontal Cortex in Chronic Insomnia Patients: fMRI Study in the First Session
栄培晶
Front Neurol. 2022; 13: 827749.
Published online 2022 Mar 24
以前、「中国式耳鍼の第1人者は誰ですか」と聞かれて「もともと人民解放軍の軍医が研究していたので、第一人者はいません」と答えたことがありますが、第1人者の名前を忘れていました。
北京中医薬大学を卒業し、カリフォルニア大学で博士号をとり、現在は中国中医科学院针灸研究所の副所長である栄培晶先生です。
栄培晶先生は、耳穴ー迷走神経電気刺激療法がテンカンとうつ病に対して臨床効果があることと、その作用機序の解明によって2019年に中医薬学会科学技術賞の最優秀賞を受賞しています。
耳针激活耳迷走神经调节内脏功能的效应及机制研究
荣培晶 et al.
中国中医科学院
2011-12
2022年1月『世界鍼灸医学雑誌』
「経皮的耳穴迷走神経刺激は機能性消化不良のラットの腸管のタンパクに作用する」
Effects of transcutaneous auricular vagus nerve stimulation on intestinal ligandins in a rat model of functional dyspepsia
经皮耳穴迷走神经刺激对功能性消化不良大鼠的肠道连接蛋白的作用
荣培晶 et al.
World Journal of Acupuncture – Moxibustion
Volume 32, Issue 1, January 2022, Pages 33-39
耳介療法の機序を西洋医学の迷走神経、脳のfМRIによる前頭前野の観察により解明しようとする栄培晶先生こそ現代中医学鍼灸の象徴だと思います。