鍼灸経絡研究拠点基盤構築プロジェクト

2019年4月1日
「韓国鍼治療を求めて3万里、(治療を受ける達人)ハン・チャンヒョン博士」
“한국침술 찾아 3만리”···’달인’ 한창현 박사

2005年から2008年の間、韓国の各地域の民間で行われている鍼灸を調査したハン・チャンヒョン博士の記事です。
最近の韓国鍼灸のエネルギーと勢いの秘密が理解できた気がしました。

大邱韓醫大學校出身のハン・チャンヒョン先生は、韓国の民間鍼灸を国家プロジェクトで調査することになりました。

韓国には複雑な歴史的事情があります。西洋医学の西洋医師と韓国の韓医師、日本植民地時代の「鍼士」「灸士」資格者、さらに民間療法の無免許の鍼灸施術者がいます。
 
以下、引用。

初期の韓医大学カリキュラムは薬に偏っており、第1世代鍼灸施術者の中には制度権に編入できなかった人々が多く、当時だけでも国内の治療技術はきちんと実態調査と症例報告がなされていなかった。

そのため、鍼灸プロジェクトの主要目標の一つである韓国鍼灸ブランド化と鍼治療教育アイテム、技術ソース開発のためには国内の優秀な鍼灸治療技術の収集・発掘が先決課題だった。

韓医師たちに敵対感を持っている無許可鍼灸施術者が多数であり、技術公開とノウハウ伝授を嫌がるものもいた。

しかし、「消えゆく韓国伝統技術を保存するのが自分の使命」と信じるハン・チャンヒョン先生は、何度も門前払いされながら韓国中の民間鍼灸施術所を実際に訪れ、有痕灸の痕をつくりながら自分で施術を受けて体験し、ビデオ動画を撮影します。北朝鮮にも2回調査に行きました。

以下、引用。

90歳を越えた老鍼術師を通じて韓国正統と呼ばれる舎岩鍼に光を当てることもできて、無許可鍼灸師たちから朝鮮時代治療療法継承に対する糸口も見つけることができた。

韓医師の仲間から「効果のある治療法を伝授してもらおうと思わなかったのか」と聞かれても、ハン・チャンヒョン先生は「わたしはカネとは縁がない。民間鍼灸師たちはものすごい数の患者さんを治療しているので、人の心を読むのに優れている。わたしがその技術を書いて儲ける気がなかったのと、韓医学研究だけが目的だったので、その本気が通じたのだろう」と答えます。

ハン・チョンヒョン先生が多くの鍼灸治療者の治療で感じたのは「治療とは、技術や知識よりも、氣と慈悲の心・憐れみと思いやりの心こそが大切なのだ」ということだそうです。

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