リサ・ローレダー、40代、鍼師で社会企業家

2012年1月5日
『ノー・カントリー・フォー・ヤング・ウーマン(ここは若い女性のための国では無い)』
「リサ・ローレダー、40代、鍼師で社会企業家」
Lisa Rohleder, 40s, Acupuncturist & Social Entrepreneur

以下、引用。

「学校で何を学び、学位は何ですか」
「わたしは大学で古典ギリシャ語で芸術学士を取り、鍼と東洋医学の修士を取った。もし、わたしと実用的でない学位コンテストで競争するなら、私の勝ち」

爆笑して、いっぺんにリサ・ローレダー先生のことが好きになりました。

リサ・ローレダー先生は、本の中でも「鍼の修士や博士などの学位を誇る人々」を「恥知らずの(マウンティングばかりして地位を求める)ステータス・シーカー」「声がデカい、大口たたき」「(臨床技術の無い)低レベル臨床家」と呼び、俳句まで捧げています。常にニコニコして、ユーモアにあふれています。

麻薬中毒クリニックで鍼師として働き、解雇され、33歳で若い女性として開業して、臨床経験29年の臨床家であり、全米に拡がるコミュニティ・アキュパンクチャーの社会事業ネットワークを構築した女性鍼灸師です。ものすごく苦労した経験豊富な叩き上げの実力派であり、社会企業家です。

33歳で開業したときに、近所のオジさんにオープニング・セレモニーで「次のクロージング・セレモニー(閉店祭)はいつか」と言われたことなど、若い女性として馬鹿にされていたことなども正直に本に書かれています。

以下、引用。

「あなたの師匠やロール・モデルは誰ですか」

「面白い質問。個人的なヒーローはいます。グラミン銀行の創始者で、ソーシャル・ビジネスという言葉をつくったモハメド・ユヌスです」

「(パートナーや周りの人にたくさんサポートしてもらいましたが)ロール・モデルや師匠は居ませんでした。いつだって望んでいましたが」

「歩きながら自分で考えて、他に道や方法は無くて、それでもOKなんだと自分で気づけたことが、私にとっては良かったです」

「女性があなたの領域で仕事を始める時のアドバイスをいただけますか」

「ロマンティックで夢を見ているようなら、自分がその仕事を本当にしたいのか、正直になってください。もし働くのが嫌いなら、他のもっと簡単な仕事を見つけてください。もし働くのが好きなら完璧です。ここにはエンドレスの仕事があります」

リサ・ローレダー先生は、先輩鍼師として格好いいです。尊敬し、憧れています。

『ノー・カントリー・フォー・ヤング・ウーマン(ここは、若い女性のための国では無い)』というメディアの名前は、映画『ノー・カントリー』の原作小説『血と暴力の国:ここは老人ための国では無い(No Country for Old man)』のパロディです。

コーエン兄弟が監督し、ハビエル・バルデムが殺し屋、アントン・シガーを演じた映画『ノー・カントリー』は、何度も繰り返し見た映画です。

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