療術とMOA(岡田茂吉)美術館

2013年12月11日『熱海ネット新聞』
「橋本聖子参院議員らが奥熱海療院とMOA美術館を視察 自民党統合医療議連」

以下、引用。

自民党の統合医療推進議員連盟(会長・尾辻秀久、衆参約200人)の橋本聖子参院議員ら北海道選出議員8人が10日、伊豆の国市の奥熱海療院を視察した。統合医療とは、近代西洋医学にとどまらず、漢方、鍼灸、ヨーガなどの東洋医学の伝統医療を組み合わせる療法で、自然食や、芸術、園芸療法などを通してこころの癒しを治療に取り込んでいる同療院の運営を視察。

橋本聖子議員
「メディカルツーリズムの観点からも参考になった。一見医療とは関係ないように思える事が、実は医療に役に立つことが分かり、たくさんヒントをいただいた」

2013年2月21日『自民党公式ホームページ』
「統合医療の推進を 統合医療に関するPTが提言取りまとめ」

以下、引用。

厚生労働部会の医療委員会の下に設置されている統合医療に関するプロジェクトチームは2月21日、統合医療の推進に向けた提言を取りまとめました。統合医療は従来の西洋医学と漢方やマッサージ、エネルギー療法など各種療法を組み合わせ、患者一人ひとりに適した治療方法を提供するものです。(中略)橋本聖子座長は「党内でも統合医療についての理解が深まってきた。提言を政府に申し入れるとともに、当面は短期目標の実現に向けて議論を進めていきたい」と述べました。

自民党の橋本聖子座長は統合医療プロジェクトチームで提言を取りまとめましたが、「エネルギー療法」という言葉に強い違和感を覚えました。

エネルギー療法は「手かざし」や「ハンド・ヒーリング」という意味です。

橋本聖子さんが宗教団体MOAから政治的に支持されているのはウィキペディアにも書かれていますが、「エネルギー療法(手かざし)」を取り入れた統合医療の提言を座長としてまとめられたのは、もちろん偶然だと思います。

MOA美術館の「MOA」とは、「岡田茂吉アソシエーション(MOA:Mokichi Okada Asociation)」の略です。記事内で橋本聖子さんが見学した「奥熱海療院」とは、岡田茂吉さんの「浄霊」という手かざし療法・ハンドヒーリング・エネルギー療法の療術院です。

1935年(昭和10年)に民間療術師「岡田式神霊指圧療法」の岡田茂吉さんが「手かざし」を「浄霊」と称して指圧治療院(当時は無免許の療術)を経営しはじめ、これは後にGHQの療術の弾圧を逃れて「世界救世教」という新宗教となりました。よく駅前で「あなたの幸せを祈らせてください」と言われるものです。 

新興宗教家の岡田茂吉さんはもともとは指圧治療家であり、それがGHQの弾圧で地下にもぐって宗教家になったのです。浄霊という手かざしをする際、信者さんは「おひかり」というお札を身につけて行います。お札には漢字で「大光明」と書かれています。レイキの第4アチューンメントでのシンボルが「大光明」です。

ブラジルの統合医療、按手療法に「レイキ」と「浄霊」という2つの日本由来のハンドヒーリングがあります。どちらも1922年から1935年の戦前の日本が由来で、大光明というシンボルを使用しています。

1922年、臼井甕男さんが57歳のときに、鞍馬山にこもって断食して「臼井霊気療法」「レイキ(霊気)」を開発しました。

1935年、岡田茂吉式神霊指圧療法の岡田茂吉さんが手かざしを浄霊と称して指圧治療院を経営しはじめました。

社会学の分野では、最近、ようやく世界救世教に関する研究文献が出版されました。

『療術から宗教へ─世界救世教の教団組織論的研究』隈元 正樹
ハーベスト社 (2018/3/13)

隈本正樹先生の博士論文であり、隈本先生はこの論文で社会学博士となりました。

2012年『統合補完医療雑誌』
「日本のエネルギー・ヒーリング浄霊による試験管内のガン細胞の生存率・増殖に対する影響」
Effect of a Japanese Energy Healing Method Known as Johrei on Viability and Proliferation of Cultured Cancer Cells In Vitro
Kazuko Abe, Rie Ichinomiya, Tatsue Kanai, and Kenji Yamamoto
Journal of Integrative and Complementary Medicine

海外では、浄霊の論文が統合医療としてPubmedにも掲載されています。
「療術」と「統合医療」の関係を研究すると、非常に興味深いです。

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