鍼研究における女性

 
2022年10月17日『メディカル・アキュパンクチャー』
「鍼研究における女性:鍼分野におけるリーダー達とのインタビュー」
Women in Acupuncture Research: Interviews with Leaders of the Field
Lisa Taylor-Swanson and Jennifer A. Stone
Medical AcupunctureVol. 34, No. 5
Published Online:17 Oct 2022
 
 
以下、引用。
 
(1)教育やキャリアの軌跡において克服しなければならなかった障壁はあったか。
(2)あなたが経験したファシリテーターや成功は何だったか。
(3)次世代の鍼灸師や研究者にどのような教訓を与えることができるか。
 
【メンターの不足】
「鍼治療の研究への明確な道筋がなく、職業選択のための指導者もいなかった」
「やりたいと思っていた研究は、最初は鍼治療のコミュニティにまったく受け入れられなかった」
 
【生物医学の鍼に対するバイアス】
「鍼の西洋化と生物医学化についての懸念が表明されている」
「ジャーナルには適切な査読が欠けている」
 
【鍼におけるジェンダー・バイアス】
「鍼におけるジェンダー・バイアスは、男性が女性よりもリーダーシップをとりがちであり、女性が男性よりも軽視されていることに反映されている」
「鍼の臨床家の3分の2は女性だが、何十年も、指導的な専門家と教師は男性である」
「教育レベルが低いため、鍼師は自らを達人と称する人々を求める脆弱性がある。自称達人は、なんらかのトレードマークはあっても情報についてのエビデンスがない。後輩にはエビデンスについて批判的思考者になってほしい」
 
 
「鍼師は自らを達人と称する人々を求める脆弱性がある」というのは卓見だと思いました。
 
昨今、自分よりも賢く見える人に自分を同一化させる権威主義者が世界的に激増しています。 
 
強者にへつらい、弱者を攻撃する権威主義的パーソナリティの持ち主は、外には強硬な態度をとりますが、潜在意識では自分に自信がないことが理解できてきました。克服するには、自分の弱さや不安と対峙するしかありません。
 
学ぶべきところの多いインタビューであり、読んでよかったです。
 

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