2016年3月3日『プロスワン』
「耳鳴の電気鍼:システマティックレビュー」
Electroacupuncture for Tinnitus: A Systematic Review
Miao He et al.
PLoS One. 2016; 11(3): e0150600.
Published online 2016 Mar 3.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4777560/
以下、引用。
【結論】方法論的な貧弱さとサンプルサイズが小さいため、電気鍼が耳鳴に効果があるという確証されたエビデンスは存在しなかった。
研究史的にはエツァート・エルンストがシステマティックレビューで報告しています。
2000年
「耳鳴への鍼の効果:システマティックレビュー」
Efficacy of Acupuncture as a Treatment for Tinnitus
A Systematic Review
Edzard Ernst
Arch Otolaryngol Head Neck Surg. 2000;126(4):489-492.
2021年
「耳鳴の鍼:ランダム化比較試験のシステマティックレビューとメタアナリシス」
Acupuncture for tinnitus: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials
Kaiyu Huang et al.
Acupunct Med. 2021 Aug.
【結論】鍼はプライマリー・アウトカムではVASでコントロールと比較して顕著な効果は無かった。しかしながら、セカンダリー・アウトカムではポジティブな効果が観察された。研究サイズと質の低さのため、いかなる決定的な結論も導くことは出来ない。
2021年韓国の最新システマティックレビューです。
日本聴覚学会がインターネット上で「耳鳴診療ガイドライン2019年版」を公開しており、これは読む価値が高いと感じました。漢方についての記述もあります。
昔から耳鳴りのメカニズムを説明する教育カウンセリングが推奨されていましたが、明示されていたことに価値があります。
また、認知行動療法(CBT)が世界的に推奨されていることも明記されています。「耳鳴には認知の歪みがかなり含まれる」というのは事実だと思います。
自分の中で耳鳴への対応はこの数年で変わっていたのですが、『耳鳴診療ガイドライン2019年版』を読んで方向性が間違っていなかったことを再確認できました。