国立アイヌ民族博物館

北海道札幌視覚支援学校附属理療研修センターで講義をさせていただいたついでに、ウポポイ(民族共生象徴空間)内にある国立アイヌ民族博物館を訪れました。

自然界すべての物に魂が宿るというアイヌの世界観を理解できるすばらしい展示で、本当に見て良かったです。私は『ゴールデンカムイ』を愛読しており、熊送りのイオマンテ儀式のドキュメンタリー映像やチタタプ料理を見ると「ああ、これが」とうれしくなりました。そして、近世以降のアイヌが江戸時代の松前藩、明治政府、ロシアから圧力を受け続けたことについては、私は全く無知であったことを痛感しました。


園内には50種類以上のアイヌに関連した植物が植えられていました。『ゴールデンカムイ』でおなじみのギョウジャニンニクはもちろん、五味子やウド、トリカブトなど漢方で使われる生薬もありました。トリカブトは、漢方では体を温める生薬として使われますが、『ゴールデンカムイ』では主に矢毒として使われています。矢毒の調合は、親しい間柄であっても教えないことが多い、親から子に伝えられる秘密の技術だったようです。

ギョウジャニンニク

エゾトリカブト


体験交流ホールではアイヌの若者たちによる歌と踊りを見せていただいたのですが、お腹に響く声と力強い踊りで、自己紹介の時の礼儀正しく、真面目なイメージとの落差に驚きました。動きは繊細ですが、荒々しく、生命エネルギーのかたまりのようなものを感じました。この場所を訪れて、アイヌ文化の素晴らしさを感じるほど、「この素晴らしい文化はこの施設の中でしか残らないのではないだろうか」「植物も花壇ではなく野生として存在すべきなのではないだろうか」と少し感傷的になっていましたが、彼らの肉体の中に眠っている野生のエネルギーが解放されるような踊りを見ていると、どのような場であってもポテンシャルを発揮できると考えが変わりました。


カフェ リㇺセではチェプオハウセットをいただきました。とてもおいしかったです!

ウポポイはアイヌについて多くを学ぶことができる美しい場所です。機会があればぜひ訪れてみてください。

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次