2025年6月25日『新華社通信』
「中国最古の鉄鍼が古代の墓から発見される」
China’s earliest steel acupuncture needles found in ancient marquis’ tomb
以下、引用。
金箔を施した漆器の箱に入った玉器の中から出土したが、埋葬時の環境により、医療用針はひどく腐食し、破片化していた。
鍼の直径は0.3~0.5mmだった。
「これは紛れもなく医療器具だ」と北京大学の博士研究員、王春寧氏は述べた。「その細さは、現代の鍼治療で使われる針の直径に近い」
中国中医学科学院の顧曼氏は、「この針は中国でこれまでに発見された最も古い鋼鉄製の医療用鍼灸針であると考えられており、西漢時代の鋼鉄冶金と古代中国医学の歴史に関する重要な証拠となる」と語った。
2011年の江西省南昌市の盗掘をきっかけに、武帝の孫の劉賀の海昏侯墓(かいこんこうぼ)が発見されました。
1968年:満城漢墓 4本の金鍼と5本の銀鍼が出土
1972年:馬王堆漢墓
1972年:武威漢墓医簡 木簡に足三里や肺兪などのツボが初出
1983年:張家山漢墓竹簡 『脈書』で陰陽十一脈灸経と類似した経脈が論じられている
1993年:綿陽市の双包山漢墓の経脈漆木人形
2012年:中国・四川省成都市金牛区天回鎮老官山漢墓三号より、経絡人形「経絡漆人」や『脉书·上经』『脉书·下经』『逆顺五色脉臧验精神』『犮理』『刺数』『治六十病和齐汤法』『疗马书』『经脉』などの医書が発見されました。いわゆる天回医簡です。そして、2025年6月に海昏侯墓から最古の鉄鍼が発見されたという流れになります。
海昏侯墓からは大量の竹簡も発見され、『春秋』や『論語』も含まれています。現在も発掘中です。特に注目は『論語』です。春秋時代の孔子の『論語』は秦の始皇帝の焚書坑儒で焼かれました。魯国の孔子の邸宅の壁の中に埋められた『論語』が現代も伝わる『論語』です。魯国の隣国の斉の国にも「斉論語」があったことが記録されており、海昏侯墓から出土した竹簡は1800年も逸失した『斉論語』のようなのです。現代中国では、漢代の墓から次々と出土文献が発掘され、認識が激変している分野です。
2017年1月13日『レコードチャイナ』
「1800年前に失われた「斉論語」か、前漢・海昏侯墓から見つかる」
Cover image by Siyuwj, The private seal of Liu He
コメント