蒙医白脉分布模型研究反思
《中国民族医药杂志》2003年01期
中国の内蒙古自治区のモンゴル伝統医学には独特の経絡、白脈(白脉)があります。脳につながる白脈病もあり、モンゴル伝統医学は脳震盪を最も得意とするので重要です。モンゴル伝統医学にはもちろん鍼灸もあります。
白脈はチベット伝統医学から来たそうです。中国政府の言う「チベット=中国伝統医学」である蔵医には白脈の概念があります。
蔵医や蒙医の論文を読むと身体観や病因論が全く違います。モンゴル伝統医学にも『脈診概要』という文献があり、まず寸・関・尺の位置が違うそうです。モンゴル伝統医学もチベット伝統医学も鍼灸があり、歴史的に結果を出しています。
歴史的にはインド伝統医学アーユルヴェーダの三体液学説、トリドーシャのヴァータ(風)、ピッタ(火)、カファ(水=痰)がチベット伝統医学に入ります。
チベット伝統医学、つまり中国政府が呼ぶ蔵医では、隆(ルン:風)、赤巴(チィパ:火)、培根(ペーケン:水)」の三体液学説となりました。
チベット伝統医学の理論はそのままモンゴル伝統医学、中国政府の呼ぶ蒙医の理論となりました。赫依(ヒー:風)、希拉(シラー:火)、巴达干(バダガン:水)の三体液学説となりました。
つまり、チベット伝統医学とモンゴル伝統医学は陰陽五行説ではなく、インド由来の三体液学説の世界観を持ち、脈診は寸関尺の位置が違い、経絡も異なり、病因論も全く異なりますが、鍼灸をして結果を出しています。
新疆ウイグル自治区のウイグル伝統医学にも鍼灸があることは確認しています。ウイグル伝統医学はイスラム伝統医学、アラビア伝統医学の流れをくむので「風・火・地・水」の四元素学説と四体液学説です。
ウイグル伝統医学の鍼灸理論を知りたいところですが、ウイグルやチベット、内蒙古の伝統文化は破壊されつつあり、本当に残念です。中国ではこのあたりはどのように説明しているのかも知りたいところです。
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