2018年10月30日『捜狐』
「80年代気功フィーバー:ある大師は原爆を気功で止めることができると大声で主張していた」
80年代“气功热”:有大师声称,他发功可以拦截原子弹
この記事は1970年代末の中国でのある事件以降の気功ブームを描写しています。
以下、引用。
(気功家の)厳新はかつて気功は原爆でさえ止めることができると主張した。
日本でも厳新先生の本は2冊出版されていますが、そんなとんでもなことを言っていたのかと思います。
『中国最強の気功家 厳新―能力開発と長寿をかなえる気功法』
ベースボール・マガジン社 (1989/03)
『厳新気功学テキスト』
ベースボール・マガジン社 (1990/06)
他にも、超心理学者の申振钰さんは転向して2001年に『正と邪:科学と特異効能、偽気功と邪教の大論争(正与邪:科学与特异功能、伪气功及邪教大论战)』という本を出版しています。
特異効能の张香玉さんは1990年に逮捕、厳新さんは行方不明、中華養生益智功(中功)の张宏堡さんは2003年に逮捕。80年代を騒がせた気功スターたちの末路は悲惨です。余談ですが、香功の田瑞生さんは1995年に68歳で肝臓癌で亡くなられていました。
以下、引用。
気功はかつては人を惑わせたが、多くの人は中年に達し、気功に熱狂した時代は過ぎ去り、いまは昔となってしまった。
1980年から1990年のブームから今も気功を継続している人は少ないのではないでしょうか。
中国で最初に書かれた中医司令、呂炳奎編の『中醫學概論』(1956年) に気功は全面的に採用されました。日本語でも読むことができます。
『中国漢方医学概論 (1965年)』
南京中医学院 編 中国漢方医学概論刊行会 (1965年)
現代中医針灸の父、承淡安先生の『現代鍼灸資料選集』では「経絡の発現はその源を気功にみいだすことができる」と論じられており、気功と経絡の探求こそが中医学の一大特徴だと考えています。
気功の理解こそが1950年代創成期の中医学鍼灸を成り立たせたのだと考えています。
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