2020年2月6日『ニューヨークタイムズ』
「コロナウイルスで中国はバッファローの角やその他のレメディを重視している」
In Coronavirus, China Weighs Benefits of Buffalo Horn and Other Remedies
中国はコロナウイルス治療で西洋の抗ウイルス剤と中医薬をミックスするようにいっているが、専門家は中医薬の効果に疑問をなげかけている。
『ニューヨークタイムズ』の中国語版を読んだ後に同じ記事の英語版を読んで、あまりのニュアンスの違いに驚きました。英語版は中医学をバカにするニュアンスです。中国語版にはそういうニュアンスは削除されています。ちなみに日本に関するニュースもこういうことはしょっちゅう起こっています。
2020年2月6日『ニューヨークタイムズ中国語版』
「新型コロナウイルス治療で中国政府は伝統中医学を考慮にいれている」
治療新冠病毒,中國政府將傳統中藥納入考量
ちなみに同じ2月6日の『ニューヨークタイムズ』に以下のニュースも掲載されていました。
2020年2月6日『ニューヨークタイムズ』
「中国はコロナウイルス患者に抗ウイルス剤を試験する。患者の臨床試験はプラセボと実験室では結果を示したレムデシビルで行われる」
China Begins Testing an Antiviral Drug in Coronavirus Patients
以下、引用。
緊急事態であり、コロナウイルスによる病気の治療法は存在しない。木曜日に中国政府はアメリカの巨大製薬会社ギリアドのレムデシビルの臨床試験を登録した。レムデシビルは静脈注射をする必要があり、実験的であり、まだいかなる使用でも認可されていない。コロナウイルスによる病気での研究も行われていない。
しかし、感染したマウスとサルの実験はレムデシビルがコロナウイルスと闘えることを示唆している。アメリカ、ワシントン州の医師たちは最初のコロナウイルスで肺炎を悪化させている患者にレムデシビルを投与した。彼の症状は次の日には改善していた。
単一の症例で薬の効果を決めることはできない。しかし、ワシントン州の患者のニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディスンの報告は薬に対する興奮を炸裂させた。
火曜日に中国の別の科学者による論文(『セル・リサーチ』に発表した武漢ウイルス研究所の論文)はさらに熱狂を引き起こした。レムデシビルは2019-nCoV新型コロナウイルスが感染した細胞に実験ラボ内で感染を防御したのだ。
2020年2月4日、武漢ウイルス研究所の『セル・リサーチ』論文
「レムシデビルとクロロキンは最近、勃興した新型コロナウイルスを試験管内で阻害するのに有効である」
Remdesivir and chloroquine effectively inhibit the recently emerged novel coronavirus (2019-nCoV) in vitro
Manli Wang,et al.Wuhan Institute of Virology
Cell Research (2020)
https://www.nature.com/articles/s41422-020-0282-0
レムデシビルは試験管内の細胞レベルで新型コロナウイルス感染を抑制したという「大ニュース」です。
現実に中国で多くの患者を治している中国伝統医学を批判しつつ、細胞レベルでしか効果を示せない抗ウイルス剤を『ニューヨークタイムズ紙』は持ち上げているわけです。バッファローのツノなんて使っていないのに、批判の多い犀角をイメージさせるためだと思います。
2020年2月11日ドイツ公営放送『ドイチェ・ヴェレ(ドイツの波)』
「コロナウイルス :中医学は、病気と闘うのを助けることができるのか?」
Coronavirus: Can Traditional Chinese Medicine help fight the disease?
以下、引用。
「新型コロナウイルス との戦場の最前線にいるまさにこの時に、中国医学は無くてはならないものなの」とタンは書いている。
ドイツの報道は相対的に公平です。
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