王永炎先生による新型コロナウイルスの分析 伏燥と寒湿 肺燥と脾湿

 

2020年2月18日 王永炎先生の論文
「寒疫からの新型コロナウイルス(2019-nCoV)感染肺炎の分析」
试析从寒疫论治新型冠状病毒(2019-nCoV)感染的肺炎
范逸品,王燕平,张华敏,王永炎
《中医杂志》

 

以下、引用。

2019年7月20日から11月にかけて武漢は気温が平均よりも高く、この40年で最悪の干ばつにおそわれた。2019年11月の武漢の特徴として平均降水量は2割と少なく、乾燥して気温が上下し、天気の変化が大きかった。

武漢の11月中旬から下旬の前は長時間、天気は乾燥して突然に空気は冷たくなり、寒くなった。その後、12月1日に第1例の肺炎患者があらわれた。

12月上旬から中旬の天気は暖かく、暖冬であるように思えたが、その後、気温が下降して、12月下旬に降雨が増えて、1月の気温は高く湿度が高かった。湿度が高く、寒く、天気は寒く湿気がつよかったのでこれが寒湿疫の前提となった。

清代の医家、喩昌は『医門法律』で「秋に燥邪に傷つけられると冬に咳嗽になる」と述べている。乾咳は新型コロナウイルス肺炎の最初の徴候である。

この他に、中医学の五運六気では『三年化疫』の理論があり、3年前は2017年の丁酉である。丁酉は陽明燥金司天であり、その年の冬の天気は乾燥が著しかった。3年後に伏邪、伏燥として影響し、上述の報道では大部分は痰が少なく乾燥した咳であり、咽喉の乾燥や咽痛などの症状は伏燥と符合している。

新型コロナウイルスの病位はまず肺であり、その次は体表の衛気と脾胃である(それで悪心・嘔吐・下痢となる)。

これらの症状から、肺は乾燥して脾胃は湿邪があり、この疫毒は温燥と寒湿が同時に存在している。同時に多数の患者が無力感を訴え、これは毒邪が正気が損傷しているためであり、この他、毒邪が閉阻し、気機の昇降に障害があり、血瘀となる。新型コロナウイルス肺炎は寒熱が混じり、燥湿が錯雑し、虚実が同時に並行してみられる病理特性があり、毒・燥・湿・寒・虚・ 瘀 の特徴がある。

 

【伏燥の病因に注意すること】

燥邪は複雑であり、清代の医家である呉鞠通は秋燥の気は軽ければ燥であり、重ければ寒となり、化気すれば湿となり、復気すれば火となると論じている。

燥邪は六淫の一つであり、秋の季節だが温燥の天気が冬まで続くのは冬温である。元代の医家、羅謙甫が「冬温の本質は秋燥の余気である」と述べている。

 

本当に勉強になります。

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