ドラッグディーラーMD

 

公衆衛生学の世界の最高峰「ジョンホプキンズ大学出版局」が出版した『Drug Dealer, MD (English Edition)(ドラッグディーラーMD:いかにして医師たちは騙され、患者は釣り針に引っかけられ、何故、止めることができないのか?)』

 

「人を助けることを誓って医師になったのに、今の私たちは何をしているのか」とアメリカの若い女医が泣きながら訴えているシーンは、この本に関するテレビ番組の中で特に記憶に残っています。

 

2019年4月22日雑誌『ローリングストーン』
「オピオイドを過剰に処方していた医師や看護師ほか60名が逮捕される」
https://rollingstonejapan.com/articles/detail/30646/1/1/1

 

以下、引用。

17日、7つの州で医療関係者を対象にした一斉捜査の一環で、医師、看護師、薬剤師合わせて60名が逮捕された。彼らは時に驚くほど破廉恥な状況で患者に不法にオピオイドを処方していた。

シンシナティ裁判所で公開された起訴状によると、医師31名、薬剤師7名、看護師8名がおよそ35万件のオピオイド処方箋をむやみやたらに出していたとして起訴された。そのうち何人かは空白の処方せん用紙をばらまいたり、中にはFaccebook上で処方せんを提供していた者もいた。

おそらく今回の起訴でもっとも衝撃的だったのは、性行為と引き換えに薬物を提供したとして起訴されている医療関係者の人数だ。ある医師は自分の診療所を「お楽しみ部屋」と呼び、定期的に売春婦や若い女性を呼び寄せて性的関係を持ち、命の危険となりうる処方薬を提供していた疑いがもたれている。またテネシー州の診療看護師は性的行為と引き換えに何十万錠ものオピオイドを処方していたとみられる。

 

 

2016年12月22日『ワシントンポスト』
「製薬産業は何十人もの役人をDEA(アメリカ麻薬取締局)から雇っており、DEAはオピオイド鎮痛剤中毒への政策を曲げようとしている」
Drug industry hired dozens of officials from the DEA as the agency tried to curb opioid abuse

 

アメリカの製薬会社がFDA(アメリカ食品医薬品局)やNIH(アメリカ国立衛生研究所)とズブズブの関係なのは有名であり、しょっちゅう報道されています。しかし、オピオイド鎮痛剤を売っている製薬会社がDEAから何十人も役人を雇用して政府のオピオイド中毒取締り政策を変えようとしているのは斬新過ぎます。つまり、アメリカでオピオイド鎮痛剤を売っている製薬会社は、自分たちが何をやっているのかを完全に理解して、アメリカ人の平均寿命を短縮させたオピオイド・クライシスを起こしていることを意味しています。

 

 

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