2011年2月16日『コクラン・システマティックレビュー』
「非特異的腰痛治療のための運動療法」
Exercise therapy for treatment of non-specific low back pain
以下、引用。
慢性腰痛の成人、特に医療機関受診者集団において運動療法は疼痛の低下と機能の改善にわずかに有効であると考えられる。
亜急性腰痛において段階的な運動のプログラムが長期欠勤アウトカムを改善するというある程度のエビデンスはあるが、その他のタイプの運動に対するエビデンスは不明である。
急性腰痛における運動療法の効果は無治療や他の保存的治療の効果と同等である。
慢性腰痛に対しては、理学療法の運動療法はわずかに有効です。しかし、何が有効であるか、運動の種類はまったく不明です。教育をともなう運動であれば流派に関わらず何でも腰痛に一定の効果があります。ひょっとしたら、運動の内容ではなく教育的な態度が1番効果がある可能性もあります。
2017年の『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン』によれば、筋肉骨格系疾患に対する理学療法では患者の個別に対応した理学療法とグループ理学療法ではまったく効果は同じでした。理学療法の運動指導に技術差は無いという理学療法士さんには認めがたい結果が出てしまっています。
2017年『ブリティッシュ・ジャーナル・オブ・スポーツ・メディスン』
「筋肉骨格系疾患への個別とグループの理学療法のエクササイズ・プログラムは同じ効果なのか?システマティックレビューとメタアナリシス」
Are group-based and individual physiotherapy exercise programmes equally effective for musculoskeletal conditions? A systematic review and meta-analysis
Mary O’Keeffe
Br J Sports Med 2017;51:126-132
Epub 2016 Jun 24
http://bjsm.bmj.com/content/51/2/126.long
腰痛に対する運動療法としては、1937年にテキサス州ダラスの整形外科医ウィリアムズが創案したウィリアムズ体操が有名です。最近は1950年代にニュージーランドの理学療法士のロビン・マッケンジーが創案したマッケンジー法も流行しています。イタリアのメーカー、Aquilino Cosaniが1963年頃に開発したエクササイズ・ボール、バランス・ボールは、スイスの理学療法士、スザンヌ・クライン=フォーゲルバッハが工夫したので、最初はスイス・ボールと言われていました。
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