2020年5月29日『現代ビジネス』
『スウェーデンの集団免疫、いよいよ「効果アリ」の声が聞こえてきたー世界も雰囲気が変わってきた』
以下、引用。
驚くべきことに(と言っても、スウェーデンにいる身からすると驚きではないのだが)、スウェーデンの大多数の人々は、コロナ危機が勃発する以前から今日に至るまで、ほぼこれまでと変わらない日常を送っている。
【集団免疫で死者急増は本当か?】
多数の人を感染させる集団免疫策は「命を危険にさらす」策だと批判されているが、スウェーデンでのコロナによる死亡率は高くはない。ロックダウンを継続している他の欧州国で、死亡率がスウェーデンよりも高い国はたくさんある。5月10日の時点で、人口100万人あたりのスウェーデンのコロナ死者数は314人である。ロックダウンを続けている他の欧州諸国を見ると、人口あたりの死者数がスウェーデンより多い国はベルギー751、スペイン566、イタリア502、英国475、フランス392、オランダ316となっている。3月から完全にロックダウンをした英国と比べても、スウェーデンは好成績だ。
都市閉鎖をしないスウェーデンが他の都市閉鎖をしている欧州諸国より低い致死率であるということは、スウェーデンの集団免疫策は現段階では成功していると言えそうだ。これらの事実を受けて、世界の風向きも変わってきたようだ。
4月30日、世界保健機関(WHO)のエグゼクティブディレクターであるマイク・ライアン博士は、スウェーデンは発生の最初からすべての正しい動きをしたとし、同国を新型コロナウイルスとの闘いにおける世界の”モデル”として賞賛した。
「私は多くの点でスウェーデンが将来のモデルを表していると思いますーロックダウンされていない社会に戻りたいのであれば」。
レナ・ハレングレン保健社会相は世界保健機関(WHO)主催の会見で「我が国は自国の状況に最善と判断される対策を実行しているのです」と言明している。スウェーデンは米国や他欧州国からの同調圧力には屈せず、自国の状況に最善と判断される対策を毅然として実行しているのだ。そしてほとんどの国民は政府に大きな信頼を寄せ、この施策を信じ国の未来を見ている。とは言え現実的には集団免疫策が本当に正しい方法なのかどうかは今の段階ではまだ不透明だ。
もちろん、まだまだ未確定であり、さらなる検証が必要です。しかし、クリエイティブで柔軟な姿勢には学ぶべきものがあると個人的に感じています。「結論ありき」の固い姿勢は臨床でも失敗することが経験的に多いです。
スウェーデンの医学者たちが同調圧力に負けずに自分たちの信じるエビデンスに基づく政策をクリエイトし、それを貫いたことは否定できないと思われます。スウェーデンの医学者たちに学び、事実を感情を交えずに観察し、同調圧力に左右されず、未知の事態でもクリエイティブな解決法を創造出来るように自分自身を鍛えていけたらとココロの底から願います。
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