2020年9月13日
『クリスティーナ・アンステッドは彼女が第3子を持つのを助けてくれた鍼を友人に推薦した」
以下、引用。
2006年にアンステッドは妊娠するのが困難となるホルモン障害であるPCOS(多嚢胞性卵巣症候群)と診断された。彼女は2回人工授精に失敗し、1回は流産している。鍼のスペシャリストであるシーラ・キャンベルが6回、鍼治療を行い、アンステッドは妊娠した。アンステッドが友人のゼビッシュにも鍼を勧める理由はこれである。鍼は彼女に効いたようであり、鍼を受けて6日後に妊娠検査陽性となった。今、彼女の家は子どもで満たされている。
2015年「鍼治療による卵胞発育の改善効果:3症例の検討」
磯部 哲也『日本東洋医学雑誌』Vol. 66 (2015) No. 2 p. 107-111
以下、引用。
多のう胞性卵巣症候群(PCOS)は日常診療において月経不順や不妊を訴えて受診する患者の多くが有する病態である。著者はPCOS 症例に対して1週間に1回の頻度で独自の鍼治療を施して約60%の有効率を認めたが、1週間に1回の施術では卵胞の発育を認めなかった3症例に対して1週間に2回の施術を行なってその有効性を検討した。3症例ともに施術なしでは卵胞の発育を認めず、1週間に2回の頻度で施術することによって3症例の全施術周期のうち86.7%(13/15)で卵胞の発育が認められた。約4日おきに平均4~5回の施術をすることによって平均月経周期18.7日目で卵胞が成熟することがわかった。今回、週一回から週二回のパターン取穴浅刺鍼療法に変更して3週間以内に卵胞の発育を認めたPCOS の3症例を報告した。
2013年にスウェーデンのシュテルナー・ヴィクトリンが『多のう胞性卵巣症候群:鍼の卵胞誘導の効果とメカニズム』を発表しました。この論文でも多くの仮説が提出されています。
Polycystic ovary syndrome: effect and mechanisms of acupuncture for ovulation induction.
Johansson J, Stener-Victorin E.
Evid Based Complement Alternat Med. 2013;2013:762615.
2013年にスウェーデンのシュテルナー・ヴィクトリンが最初のランダム化比較試験を行いました。鍼治療プラス運動エクササイズで改善が見られました。
Acupuncture and physical exercise for affective symptoms and health-related quality of life in polycystic ovary syndrome: secondary analysis from a randomized controlled trial.
Stener-Victorin E,
BMC Complement Altern Med. 2013 Jun 13;13:131.
2017年6月『メディスン』掲載の論文
「多嚢胞性卵巣症候群の鍼:システマティックレビューとメタ・アナリシス」
Acupuncture for polycystic ovarian syndrome: A systematic review and meta-analysis.
Jo J,et al.
Medicine (Baltimore).
2017 Jun;96(23):e7066.
doi: 10.1097/MD.0000000000007066.
【結論】多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の鍼の効果と安全性を評価するためのエビデンスは限定的である。
2017年6月27日『JAMA(アメリカ医師会雑誌)』
「多のう胞性卵巣症候群(PCOS)の中国人女性への鍼とクロミフェンの効果:ランダム化比較試験」
Effect of Acupuncture and Clomiphene in Chinese Women With Polycystic Ovary Syndrome
A Randomized Clinical Trial
Xiao-Ke Wu, MD, PhD; Elisabet Stener-Victorin, PhD; Hong-Ying Kuang, MD; et al
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