中国共産党、中国人民政治協商会議の全国政協委員で内蒙古国際蒙医医院の詠梅先生は、27年の臨床経験がある「中医学の一部としての蒙医学の蒙医師」です。
以下、引用。
詠梅氏によると、今年の秋学期から内蒙古自治区の全ての民族が小学一年生から中学一年生まで国家統一教科書の中国語の教材を用いる。これは中国共産党と国務院の重大な政策決定であり、中国共産党と中国国家にとって共同体意識を保つための必然的要求であり、長期に渡り利益がある。
習近平以前の中国では、曲がりなりにも「蒙医」などの伝統医学は尊重されており、それはリスペクトできる良い政策でした。それがモンゴル語の教育をやめて、北京語でモンゴル伝統文化を伝承すれば良いと主張されることには疑問を感じます。
現在、中国の内蒙古自治区では中国語(北京語)の強制教育がはじまり、大反発が起きています。
2020年8月31日『ニューヨークタイムズ』
「モンゴル語抑制教育政策は中国で最大の反対運動を引き起こしている」
Curbs on Mongolian Language Teaching Prompt Large Protests in China
2020年9月10日『ニューズウィーク』
『内モンゴルの小中学校から母語教育を奪う中国共産党の非道』
2020年9月27日『NHK』
『内モンゴル自治区 中国語教育強化に抗議の保護者ら 当局に拘束』
内モンゴル自治区の事情に詳しい日本モンゴル協会の窪田新一理事長は、中国語による教育の強化について、中国政府による少数民族に対する同化政策の一環だと指摘し、「反政府活動を抑え込むために新疆ウイグル自治区やチベット自治区で先行して導入していた中国語教育の強化を正当化する必要があったのではないか。このまま内モンゴル自治区だけ民族の言語を守っていては、ほかの地域の民族政策に悪影響を及ぼす可能性があり、ウイグルやチベットと横並びで強化すべきと判断したのだと思う」と分析しています。内モンゴルの言語問題はウイグルやチベットとリンクしており、「民族固有の言語なしに伝統医学は伝承できるのか」という問題を内包しています。
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