2019年12月13日『メディカルアキュパンクチャー』
インドネシア・セベラスマレット大学医学部
「多嚢胞性卵巣症候群への電気鍼は卵母細胞の成長を促進する効果がある」
Electroacupuncture Effect on Polycystic Ovary Syndrome to Improve Oocytes’ Growth.
Budihastuti UR,et al.
Med Acupunct. 2019 Dec 1;31(6):379-383.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/31871526
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6918519/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/…/PMC691…/pdf/acu.2019.1354.pdf
44人の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)に対して、中極(CV3)、気海(CV6)、帰来(ST29)、三陰交(SP6)、合谷(LI4)、足三里(ST36)の刺鍼で治療しました。2Hz15分間、週に2回の電気鍼を行い、真電気鍼は卵母細胞の成長に有意差がありました。多嚢胞性卵巣症候群は中国語で「多囊卵巢综合症」です。
以下、引用。
【結論】電気鍼は卵母細胞の成長を促進した。
鍼はPCOSの症状を減少させたが、交感神経システムや神経内分泌システムを含む内因調整によるものである。
この変化は、内因性オピオイドシステムによって起こる。無排卵の女性は高いベータ・エンドルフィン・レベルをあらわし、女性の低い皮膚温は交感神経活動の増加をあらわしており、電気鍼によって修復される。この研究は電気鍼が交感神経活動を阻害して、多嚢胞性卵包症候群の治療における役割を果たしている。
血漿βエンドルフィンは、ストレスに反応した高インスリン血症と関連していることが支持されている。
ストレスは視床下部ー脳下垂体ー副腎・軸の活動を増加させ、生殖機能を減退させる。
視床下部ー脳下垂体ー副腎・軸 (HPA axis) は視床下部ー脳下垂体ー性線・軸(HPG axis)や副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン、エンドルフィン、副腎皮質ステロイドなど生殖機能に影響を与えるストレスを調節する。
鍼はコルチゾール濃度を減らし、視床下部ー脳下垂体ー副腎・軸に影響し、中枢や末梢のエンドルフィンの産生・分泌を調節することで視床下部ー脳下垂体ー性線・軸に影響する。
鍼治療は、視床下部から性線刺激ホルモン放出ホルモンを放出させ、下垂体から下垂体性性腺刺激ホルモンを分泌させるのである。
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