2022年2月16日
「筋筋膜性疼痛/線維筋痛症候群のスコーピング・レビューと解釈:メディカル・パズルを組み立てる試み」
Scoping review and interpretation of myofascial pain/fibromyalgia syndrome: An attempt to assemble a medical puzzle.
Shiloh Plaut
PLoS One. 2022 Feb 16;17(2):e0263087.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8849503/
以下、引用。
このスコーピング・レビューに基づけば、ファッシャはインテリジェントで洗練された組織ネットワークであり、線維芽細胞はお互いにコミュニケーションするギャップジャンクションを示している。
スコーピング・レビューはマッピング・レビューとも呼ばれ、未知の領域の地図を描くレビューです。
画期的なのは、筋筋膜痛や筋筋膜トリガーポイントの解明にファッシャとテンセグリティの概念を導入しようと提案している事です。
トリガーポイントの歴史では、ジャネット・トラベルとデビッド・サイモンズが1980年代から1990年代にトリガーポイントのエネルギー危機仮説を提唱しました。
現在はジャン・ドマーホルツが2000年代に提唱したトリガーポイント拡張統合仮説が通説ですが、実はあまりうまくいっていません。
そこで、ファッシャ理論とテンセグリティ理論を導入してはどうかという提案です。
テンセグリティとは、「テンション(緊張)」と「インテグリティ(統合)」をあわせた造語で、建築家のバックミンスター・フラーが提唱しました。
身体はファッシャという膜組織・結合組織に覆われています。ここではまさにテンセグリティの問題が出てきます。
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